22.小さな亀裂 ページ26
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「マジでごめん!」
「いや、大丈夫です、全然!」
離れたところまで来ると二人で息を切らしながら
そんな会話を繰り返す
「どうしてもころんからAちゃんを引き離したくて」
"話したかったのに彼奴全然Aちゃんから離れようとしないからマジでどうしようかと思った"
と言って笑った先輩 。
そうだったんだ...
じゃあ、あの告白もころんくんの隙を突くため
ってことだったのか
「...それで、私に用ってなんですか...?」
「あぁ...その事なんだけど」
ちら、と周りを見渡すと先輩は薄く笑みを浮かべていたその表情をふ、と失くし私の耳元に顔を近付けた
「ころんには、気をつけて」
「...え、?」
...ころんくん?
なんで
「どうして、?」
「...確信はないけど 。なんかおかしいんだ、彼奴」
ころんくんがおかしい?
確かに最近、私にずっとくっついてくるけど...
「あまり疑いたくない、でも、確信を得たい 。だから、これからはなるべく俺と一緒にいてほしいんだ」
先輩は少し不安げに私を見つめると、私の手を取って 良いかな?と問う
...ころんくんと暫く話せないのは寂しいけど、
確かに私も少し変だなとは思っていたから...
「...はい、分かりました」
「良かった」
ふ、と笑った先輩に安心する
先輩は あ、そうだと思い出したように顔をこちらに向けた
「ねぇ、前から気になってたんだけどさ、"桃瀬先輩"ってちょっと堅苦しいから名前でいいよ」
「あ、はい ...えっと、さとみ先輩 」
「うん」
先輩の優しげな瞳をぼうっと見つめる
...これで、良いんだよね
大丈夫、大丈夫 。
「やった..、」
どろどろと、混ざり合っていく
それは、複雑な色
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月餅(プロフ) - カレカノさん» ありがとうございます...!!( ;∀;) (2021年9月23日 14時) (レス) id: f3182ca5ac (このIDを非表示/違反報告)
カレカノ - 更新、待ってます!この小説好きです! (2021年9月22日 17時) (レス) @page37 id: cdb95f15bb (このIDを非表示/違反報告)
月餅(プロフ) - momoさん» ありがとうございます!亀更新ですが何卒...!(´;ω;`) (2021年9月15日 11時) (レス) id: f3182ca5ac (このIDを非表示/違反報告)
momo - とっても面白くて好きです! (2021年9月14日 18時) (レス) id: db4549755e (このIDを非表示/違反報告)
月餅(プロフ) - ひかるさん» ありがとうございます(*´∇`*) (2021年8月27日 21時) (レス) id: f3182ca5ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月餅 | 作成日時:2020年9月26日 19時