虎視眈々【 青/桃 】

17.おいで ページ20

.


それから数日後

私は無事に退院し、
学校へ通うことが出来ている 。

ただやっぱりストレスはまだ残っているようで
たまに頭がズキリと痛むため、
今日も放課後になると早足で教室を出た


入院中、担任の先生はよくお見舞いにきてくれて、色んな話をしてくれた 。

いじめの件に関して先生は、私のメンタルケアに努めつつ他の生徒達のいじめ対策も行っていく、とのこと 。

両親もお見舞いにきてくれたけど、いじめが原因とは知られていないようで、酷く安心した 。


そして、あの日私に暴力を振るったあの子達は停学処分、だそうだ 。


あんな目に遭っておいて、簡単に許せるほど私は優しくない、けれど

あの時、桃瀬先輩に異常な程怯え、
執拗に謝る姿が


何故だか、脳にこびりついて剥がれない


少しばかり感じるこの違和感は、一体...





＿＿＿とん、



「...！？」



ふと、誰かに肩を触れられた

驚いて、思わずびくりと肩を揺らす

ふ、と背後から溢れる笑い声の主を見るため
ゆっくりと振り向いた



「...桃瀬先輩？」


「Aちゃん、探したよ」



桃瀬先輩はくすくすと笑いながら
私の手をとる



「今から、暇？」


「...暇、ですけど」



家に帰っても特にやることはないけど...

何か私に用事があるのかな？



「じゃあ、おいで」


「え、？えぇ！？」



ぐい、と手を引かれる



「早くしないとなくなるよ？」



先輩は無邪気に笑った


.

18.パンケーキ→←16.頼ろう？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す