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「…何とか言ったら？」
一度顔を伏せると上げるタイミングがわからない。
神威さんの淡々とした声に全身から汗が吹き出る。
ヒュッ…と、夜風が吹けば汗で濡れた体がブルリと震えた。 風邪が悪化するのでお布団に戻りたいです。
ぶり返したら小言言われるかなと銀さんの嫌そうに顰められた顔を思い浮かべれば、肩に何か暖かいものが被さった。
「！ これ…」
「貸一つね」
「返品します」
「返品は受け付けてません〜」
肩に掛けられた神威さんの白い外套を返そうと手にすれば、少しの笑みを浮かべ掴み止められた。
女性よりも固く大きな手に男性だと意識せざるを得ず、一緒に寝ていた時よりも不思議と恥ずかしさが込み上げる。
手を引いて離れようとするもさせないとばかりに力を込められ「ちゃんと話すなら離してあげるけど」と脅迫されてしまった。
「だ、団長さんはさっき傍に置いてくださっていたって言ってましたよね」
「うん」
「…帰って来られない日が続かれていたのは必要ないってことじゃないんですか？」
地球のご飯も店長のお店から出前をとったりこうして直接地球に来て食べればいい。枕役だって他の人と寝ていたなら私じゃなくてもいいということになる。
神威さん、今こそ目を覚ますときです。
実は神威さんが思っている程 私必要とされてないんです…！
「そうだね。 美味い飯は山ほどあるし、アンタの飯が食えなくて死ぬわけでもない」
それに、と言葉を続ける。
「枕も、女を抱いて寝るって意味なら他の奴でも事足りるね」
否定はせず、R指定が入りそうな言い回しで話し終えると掴まれたままの手を引っ張られた。
耳筋に神威さんの息がかかり、背筋がぞくりとする。
「けど、アンタが居ないと物足りない」
「…！」
「色んな女を抱いて試したりもしたけど、アンタ程の心地良さはなかったし」
まるで堪能するように優しい手つきで両手を腰と背中に回される。久し振りに抱き締められたのもあり、痛いくらい心臓が跳ね上がった。
「…A、俺の傍にいて」
初めて聞く優しい甘い声に冷え切っていたはずの体はいつの間にか熱く火照っていた。
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おいも(プロフ) - 紫姫さん» 最後までお読みくださりありがとうございます🐰💓 トリップにも理由があるのかも、と考えた末辿り着いた場所がちょっとしたホラーになってしまいました((🙊)) 不完全燃焼気味のラストでしたが少しでも楽しめていただけていたら幸いです🙇 (2021年9月21日 20時) (
レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - まさかの結末でごっさ驚きました！！そして少し怖かったです(笑) (2021年9月19日 18時) (レス) id: eab8838b37 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - カビキラーさん» 最後までお読みくださりありがとうございます(*´ω`) 以前から少し変わったお話を書いてみたかったので驚いてもらえて嬉しいです(∩´∀`)∩ トリップは色んなENDになれる楽しさがあるのでこの後二人が結ばれる世界線もあるかもです…！ (2020年2月17日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー - 神威と結ばれるのかなと思ってたのでオチで驚きました！軽く怖っ！って思いました笑 (2020年2月13日 19時) (レス) id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - 氷華さん» わー！ありがとうございます…！ 二人にはまた巡り会ってもらいたいので、もし続編を書く機会があればハッピーエンドにしてみたいです！(´ω`)！ (2019年12月26日 19時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいも | 作成日時：2019年10月16日 19時
