店員少女とオジサン兎 ページ8
「Aちゃん、そろそろおしまいにしようか」
「は〜い」
店長からの掛け声に、
「今日も大繁盛でしたね」
「ああ。Aちゃんが働き者でほんと助かるよ」
「そう言ってもらえるとまた頑張れちゃいます!」
店長は料理も人の持ち上げ方も上手で、人柄も良い。
全身緑色じゃなければ惚れてたかも知れない。店長、既婚者だけれども。…家に帰ったら奥さんがおかえりなさいって出迎えてくれるのかな。
ちょっとだけ、今借りている家に帰るのが寂しく思えてしんみりしてしまう。ホームシックになりかけていると突然ガラリ、と扉の開く音が鳴った。店長と私は顔を見合わせる。暗くてわからないがお客様…だろうか。
「すみません、もう今日は店じまいでして…」
「ああ…どうもそうらしい」
「明日も営業致しますのでよろしかったらまたその時に、」
「明日 嬢ちゃんはいるのかい?」
「……はい?」
嬢ちゃん、とはもしや私のこと…?
答えを求めるように店長を見ると、店長は怪しむ様にお客様と私の間に割って入り、優しい口調でこう尋ねた。
「お客さん、Aちゃんのファンか何かで?」
いや、店長よく考えてください。
このナメッ●星に似たコロッピー星の住民達と毛色の違う私にファンが出来るわけないです。
「ファン、ねぇ…。そいつァちょいと違うが」
「よし。店長帰りましょう、定時です定時」
「こらAちゃん、待ちなさい」
面と向かって否定されるのも何だか悔しい。人に否定されるのって悔しいですね、店長。
「で、嬢ちゃん。明日は居るのかい?」
そんな面倒くさそうに頭をぼりぼり掻かないでください、面倒に巻き込まれてるのは現在進行形で私達なんです。
態度の悪いお客様に「明日はお休みを頂いております」と、ぶっきらぼうに告げた。ふふふ、残念でしたね!私は明日一日引きこもりデーの予定なんです!
「休みたァ都合がいいな。
店長、そこの嬢ちゃんを借りて行くが問題あるか?」
「え?」
「店の事もあるからね、危害を加えられちゃ困るが次の出勤日までに帰してくれるなら問題ァないね」
「ん!? て、店長……?」
「危害は一切加えねェと約束するさ」
「なら好きにしておくれ」
「ちょっと人を抜きにして話し進めるのやめてください!」
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時