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「怖いですよね…! 夜兎の人ってどうしてそんなに強面なんですかって思います!」

「え…貴方は夜兎族の方ではないのですか?」

「お恥ずかしながらただの庶民で…」

「まぁ、そうだったのですね」

安心したようで、娘さんの取り巻く雰囲気がやわらぎ、微笑まれた。同じ顔でも愛嬌は提督の百倍。めっちゃ可愛い…後でさり気なく阿伏兎さんに推しておこう。
そんな私の思惑とは裏腹に娘さんからとんでも無い言葉が飛び出した。

「よかった、アナタにならお話できそう」

緊張を解くように息を吐くと、娘さんは言葉を続けた。

「…実は、縁談の話を取りやめていただけるようお願いに参ったのです」

衝撃の話に言葉が出てこない。神威さんと阿伏兎さんにしたら願ったりかなったりの展開だけど、まさか相手側から言い出されるなんて。

「事情をお聞きしてもよろしいですか…?」

聞き返せば、娘さんは悲しげな目をしてぽつりぽつり話しをしてくれた。

なんでも、縁談は阿呆提督が一方的に取り付けたもので、元々神威さんとそういった仲になるつもりはなく、第七師団団長の噂は有名でそんな人の隣に立つ自分を想像出来ない。悩みに悩み、今日まで言い出せずにいたが勇気を出してやってきたとのこと。

そう 語り終えた娘さんは顔を俯かせている。

「…か、顔…! 顔立ちは他の夜兎の人と違います! うちの団長さんはいつも笑っているし掴み所がなくて怖いところもありますがイケメンの部類です!」

何故だか気付けば神威さんの良さを推していた。
けれど、娘さんの心には響かなかったようで首を横に振られてしまった。
で、ですよね。私も神威さんのこと知っている今でもお近付きにはなるのは躊躇(ためら)ってしまうので、お気持ちお察しします…。

「…わかりました。
団長さんにはこちらから上手くお伝えしておきますね」

「すみません…」

「いえ、私はこれくらいのことしかお力になれないので…、あ。帰り道は大丈夫ですか?この艦入り組んでいるので迷われるかも、」

「お気遣いありがとうございます。
あちらの方に付き人がおります故大丈夫です」

お、お嬢様だ…!私も一度は付き人おりますので、ホホホとか言ってみたい。

話がついたところで忍者の如く現れた付き人に付き添われ娘さんは帰っていかれた。よし、早く神威さんにこの事を伝えに行かねばと少し離れた団長室に向かう。

もし 留守だったら、探しに行かないといけない。
居ることを願ってコンコンとノックしながら返事を待つ。




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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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