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「………」
船のモニターに表示されている現在の座標位置と店長から預かった宇宙座標を交互に確認する。五回くらい確認したところで口がぽかんと空いた。
…本当にパーティー会場だ。
初めてみる巨大船はクジラよりも大きく、ぶつかったりなんてしたら木っ端微塵、一溜まりもない。慎重に距離をとりながら、受話器を耳に当てる。
「電話電話…」
船には基本インターホンが存在しないので、近くまで来たらお届け先へ電話を掛ける。乗り込み口を開けて貰わないといけないからだ。…ど、どうしよう。電話に出た人がパーリーピーポーでウェイウェイな人だったら。
宇宙戦艦ヤマ●並に大きな船の中でやっているパーティーならそんな人が一人や二人、とんで百人はいそうな気がしてならない。オーォイエーアー!とか謎の掛け声をかけられるかもしれないと頭の隅に可能性を置きながら、番号を押していく。
──プルルル…プルルル……
ガチャ
「"はい"」
「あ、先程ご注文頂きました
「"おー。わざわざすまねェなァ。今開ける"」
パーリーピーポーとは遠くかけ離れたガラの悪そうな人物が電話に出た。喋り方が怖く、どう聞いてもその道の人ぽい。ああ注文受け付けた店長が下手に断れなかったのはこのせいかも。
「しっ失礼致します〜……」
すんなり開かれた乗り込み口から小型宇宙船を中へ停泊させる。周囲を警戒しながら降りると目の前に壁が立ち塞がった。壁もとい 人の足に緊張が走る。顔を上げてみるとえらく背の高いおじさんが立っていた。
「わざわざ休憩時間に無茶言ってすまなかった、何せあんたんとこの料理は美味いと評判なもんでな」
「…?」
「ん?なんだ?」
「あ、いえ…!すみません、何でも…!」
あれ?と首を傾げたことが不信感を抱かせてしまったようで頭を下げる。…このおじさん、何処かで会ったことある気がしたのだけど、思い出せない。
店に来てくれた事があるとか?それだったらヒト型のお客さんだ珍しい!と記憶に残っていそうな……? …人?
「代金はこれで足りるか?」
「っひはい! 丁度頂戴致します!」
ひ、ひ。人! ホモサピエンス……!!
コロッピー星に来てから初めて人と会えた!わぁ…!こんな所で会えるなんて…! 感動のあまり握手を求めたら「アイドルじゃねえんだが」と冷静な突っ込みを頂いてしまった。
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時