ショコラ

俺が好きでしょ？【KF】 ページ36

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「お前、また太った？」





枝豆を頬張りながら
鼻で笑うように私の顔を見つめる先輩。

極めつけには
“お腹のおにく確認してやろうか？”
・・・・・・って









「きっ、きたーまさんのばかっ！！！」


「きたーまって呼ぶな」






愛くるしい小動物のような顔とは裏腹に
毒舌で女性に対してデリカシーがなく
ある意味ギャップがすごいこの人は
一応私の元カレでもあり会社の先輩なのだ。

そして、こんな人と
二人っきりで飲みに来ているのには理由がある。







「普通、そんなこと言いますっ！？」



「俺が言わねぇと気づかねぇだろお前」



「そんなことないですよ！！
ちゃんと気づいてますっ！！」



「へぇ、どれどれ〜？」






まじまじと舐めまわすように
私を見つめてくる先輩の目に
少し胸がざわつくが、そんなことより






「······まぁ確かにそこまでだな。
胸も昔よりはおっきくなったんじゃね？」






・・・・・・この人さいてーい。






「藤ヶ谷のこと好きになってから
お前ふわふわしすぎなんだよ」






北山さんと飲みに来ている理由。それは、
北山さんの同期でもある藤ヶ谷さんを
好きになった私の相談を聞いてもらうため。

いくら元カレだといえ、
色々と経験豊富そうな北山さんに
相談をするのはやはり頼もしいんだ。
・・・・正直悔しいけど。







「お前は、どうなりたいわけ？」



「······どうって、えっと········、」



「んだよ、あいまいなのかよ」



「でもっ、好きなことには変わりないんです！
毎日気づいたら藤ヶ谷さんのことを考えてるし、
頭の中にいるだけで幸せになるっていうか·····、」






ひとりで勝手に高まって
興奮気味に話していると、
少し鋭い先輩の目線が痛くて。




「······あっ、ごめんなさい」




何故か謝ってしまった。








「お前、藤ヶ谷のこと語ってる時
めっちゃ顔キモくなんだな」


「······ひどっ、！」






さらっと毒を吐いておきながら
無駄に色気をだしてビールを飲むと、






「·····そっか、」




笑っているはずなのに、
少し儚げに北山さんの瞳が揺れた。

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