ショコラ

番外編＊カワウソ同僚【2】 ページ31

·






「かんぱ······あ、そうそう

「乾杯まで言わせろっ」






目の前には、今日もナイスツッコミな
ツーブロックのカワウソ。

あー、髪の毛早く伸びてくれないかなぁ。









「で？話ってなんだよ」



「いやっ、ニカが話あるって言ったんじゃん！」



「ん？あ、そうだっけ」



「まぁ太ちゃんとの話、してあげてもい

「いい」







藤ヶ谷先輩(通称オオカミ先輩)と
付き合ってから一ヶ月。

私たちは“太ちゃん”と呼べるほど
関係も進展したし、カップルっぽくもなってきた。
ま、それもほとんど
太ちゃんの甘い空気作りのおかげなんだけど。





そんな今、ニカとこうやって
お酒を飲む機会が減った訳でもない。

普通、いくら仲が良いとはいえ
男女ということに変わりはないし、
お酒が回るこういう場では
二人きりにしないのが普通の彼氏だと思う。






·









「まずは肉だな」



「あったりまえー」



「······え、ちょっと待て。
俺の大好きなやみつきキュウリが
メニューから無くなってんじゃん！！」



「私の好きなキムチキュウリは
ちゃんと置いてある〜、食べよ」



「お前、調子乗んなよ！！
見とけ、一週間後にはきっとこのメニュー表に
やみつきキュウリが復活してるに違いない！！」



「ほんと〜？」







太ちゃんいわく、
こんな私たちには
1ミリもの心配も生まれないらしい。







「あ、思い出したわ。
俺がしようとしてた話」



「なにー？」



「好きな子できた」

「ぶっっっ」





“きたねぇ！！”

すぐさまおしぼりを出して
キレイにテーブルを拭く潔癖男。






「誰誰！？
ニカの好きなことかめっちゃ気になる！！」


「お前」









·








「·····は？」


「好きな子、お前だけど」








·








太ちゃん、やっぱり
男女の友情は成立しないみたいです。

こんな私たちだけど、
恋愛が生まれないわけではないそうです。








オオカミとカワウソと、
忙しいぐらいの眩しい日々を、
今日も私は送っているみたいです。






「オオカミって最後死ぬんだぜ。
・・・・腹に石詰められ

「そんな事言わないでっ！！」









番外編＊END.*･ﾟ .ﾟ･*.

俺の方が【T】→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す