こじれた愛の溶かし方。

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「·······忘れてください、」




ダメだ、顔見れない。
勝手に抱きついて寝るとか
ほんとに私何やってんだろ。

きっとやけくそでお酒を飲んだんだろうけど、
お酒弱いって分かってるんだから
学習してよ自分・・・・







「·····ごめんね、」



「大丈夫だよ？
ただめずらしいなとは思ったけど。
Aから甘えてくるなんて滅多にないし」



「····なんか、太輔の腕の中は安心するから、」







ぽろっと零れた言葉に、
急に太輔の顔つきが変わって、









「安心しちゃうんだ？」







程よく距離を取っていたのに
ソファーの端まで追い詰められると
ゆっくり押し倒されて太輔の顔が近づく。









「俺は、すごいドキドキしたし
本当は手出しちゃいそうだったよ？」




“Aは？”




さらさらと髪の毛をとかされて、
そのしなやかな指使いに
どんどん身体の中心が熱を持っていくのが分かる。








「Aさ、“寂しい” ってずっと言ってたの。
きっと無意識なんだと思う。
それって、北山に対しての言葉でしょ？」





何も言えなかった。言葉が詰まって、
太輔の目に吸い込まれることしか出来なかった。


きっと少しだけ太輔は怒っている気がする。
でも、優しく頭を撫でられているせいで
感情もぐちゃぐちゃで、
もう何がなんだか分からないの。







「俺は、ただの優しい人？」








ふと、太輔の瞳が揺れた。
悲しそうに眉毛を下げて私に問いかけてくる。







「・・・・・俺ね、
Aが大切だから傷つけたくなくて、
どこかで嫌われたくないって思ってたから
ずっとずっと優しくしてたんだ。
でも、それでただの優しい人止まりになるんだったら、」






そっと唇をなぞられて、
濡れた視線が重なる。







「もう俺、優しいのやめるよ？」







“Aの寂しいの、
俺がいっぱい埋めてあげるから”







結びついて離れなかった視線は
ゆっくりと唇に移っていき、
やがて優しく唇が重なっていた。

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