こじれた愛の溶かし方。

40＊宏光＊ ページ39

·








「ミツとたまー、
俺らジェットコースター行ってくるけど
二人は別で遊ぶ感じ？」




すっかり玉森の空気に呑まれている時、
ちらっと横尾さんが顔を出してくれたおかげで
やっと質問攻めから開放された俺。





「いや、俺も行

「二人でお話するから大丈夫ー。
行ってらっしゃーい」








·







「·····は？」



「なに、男子会しないの？」






・・・・男子会って、
ふたりしかいねぇよまず。

てか、俺はお前とふたりだと
なんかそわそわして怖いんだよ！！





「····俺は行くから、」


「え？もう行っちゃったよ？」


「はっ！？」






気づいた頃にはもう
横尾さんを含め俺達以外の姿が無くなっていて、







「とりあえず腹ごしらえだよね。
なんか食べながらお話しよ〜」








完全に押されまくりな俺は
結局玉森に連れられファーストフード店へ。



俺は今日、あいつらと遊びに来たんだよな？
なのにいつの間にかこの男と二人でハンバーガー食って
何故か俺の相談受けられて、






「ミツって面白いね」


「お前もな」





気付いたらもう、変に気が緩んでて
俺の恋愛事情とか近況を
何でも暴露し放題になってる今現在。
シラフでこんなに打ち解けるとかどうなってんだろ。









「そういえばさ、今
友達の恋を実らせるために協力してるんでしょ？」



「·····は？何の話？」






ストローでぐるぐる氷をかき混ぜた後、
ちゅーって唇を尖らせて
やけに可愛くジュースを飲みながら
上目遣いで俺のことを見つめてる玉森。









·









「またまた、とぼけちゃって。
横尾さんがミツを連れてきたのって
残された女の子ともう一人の男友達が
上手くいくように仕向けたんだってね。
友達の恋を全力で応援するとか
ちょー青春じゃん」








全く意味が分からなかった。






何故か頭が真っ白になって、
玉森に返事をする余裕も無くなるほど。





それでも頭の中にあるのは
Aと藤ヶ谷の幸せそうな顔だった。









「二人っきりの遊園地とか、
告白に最適すぎるでしょ。
今頃観覧車に乗ってキスしてたりして」





考えたくもなかった。いや、
無意識に考えることを避けてきたのかもしれない。

怖くて藤ヶ谷の気持ちにも気づかないふりをしていたなんて、
いまさら気付きたくない。

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