こじれた愛の溶かし方。

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「とりあえず、どっか行く？」



すぐに話題を変える太輔。
なんかもやもやする。
絶対に何かあったでしょ。







·






「太輔のばーか」




このいたたまれない気持ちを
少しだけぶつけて、目を逸らした。




でも、








「·····ごめんね？」



って優しい声で呟くの。
別に、怒ってないよ。
すぐに謝っちゃうところ、本当に直して？







「じゃあっ、
宏光がいたらあんまり行けないところ行こ！」



「スイーツ？」



「正解っ！！甘いの苦手だーって
絶対に一緒に行ってくれないもん」



「ふふ、いいよ。どこ行こっかー」





パンフレットを広げながら
このお店いいね！なんて
模索しながらぶらぶら歩く時間。

太輔といると本当に落ち着く。





「あーんしてあげよっか？」



「大丈夫ですっ！笑」



「じゃあ俺にあーんして、」



「いいよ、はい」





生クリームをたっぷりスプーンで掬って
太輔の口に入れてあげると
飲み込む瞬間上目遣いで私を見つめる。





「·····ばかっ、」


「可愛いでしょ俺」




いや、自分で言ったらダメでしょ。




その後も私を見つめながら
口に付いた生クリームをぺろっと舐めて見せたり
それを見て少し照れた私をからかったり。
たわいもない時間をすごすだけで
私の何かが満たされていく。

・・・でも、なんか足りないの。









·









「北山がいなくて寂しい？」




ポツリと呟くように
切なく私を捉える太輔の目。




「·····そんなわけないじゃんっ、
太輔といられるだけで十分楽しいよ？
スイーツもおいしかったし、
こんなの私たちじゃないと出来なかったじゃん」




ぶんぶんと必死に首を振ると、
ふーんって特に何も言わずにその場を立った。





何でだろう。
今言ったことは全部本当のことだし
嘘なんてひとつもないのに、



・・・なんでこんなに罪悪感に包まれるんだろう。







「A、観覧車行かない？」



「·····観覧車？」



「そう、夕方の観覧車って
あんまり乗ったことなくない？
夜は夜で綺麗だけど、
今は夕日があるからめちゃくちゃ綺麗だよ」







太輔に誘導されるまま向かうと、
本当にちょうど夕日が沈みかけていて
今が乗り頃だね、って。

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