スネイプ先生side ページ25
これでもかと言うスピードで部屋を飛び出した
あの子の背中を見てその場で足踏みする。
こちらの心配も知らずに。
我輩だってなぜこんなにも胸騒ぎがするのか
分からないのだ。
ただ、あの子が傷ついて辛い思いをするのを
見たくない。
少なくとも、あの子は我輩にとっては大事な存在だから。
「…ﾁｯ」
それを上手く言葉に表現できない我輩も我輩だが、話を聞かずに飛び出していった彼女にも非があると思う。
仕方なく、部屋を出た。
たどり着いたのは、クィレル先生の部屋だった。
ｺﾝｺﾝ
「ど、どう、ぞ。」
「…失礼する。」
慣れた彼の部屋。手のひらにイグアナが乗っているところを見ると暇なのだろう。
「ど、どうしたん、です？いつもより、顔が陰険です、けど…」
そして何気なしに毒を吐くようになった。
まぁ気にすることではないので無視が通例だが。
「…Aと、喧嘩した。」
瞬間、クィレルが立ち上がる。
「じゃ、あ、私、が今、く、口説きに、行ったら、一瞬、ですねｯ」
ｲﾗｯとして頬を思いきり摘まむ。
痛い痛いと喚くのを見てから座らせると、話に戻った。
全て話したとき、まず彼の一言は、
「過保護、ですね」
やはりそうか…そうなのか…
まぁ、よしとしよう。それは、多分すぐ直せる。
「あ、貴方、の気持ちも、分かります、けど。本人、に任せてみては、どう、でしょう？
よっぽどの事が、ない限り、あの子は死ぬことは、無い、と思いますけど…」
驚いた。我輩よりこいつの方がしっかりしているではないか。
…なんか悔しい。
悔しいし諭されているのも気に入らん。
まさかクィレルに正論を吐かれるとは思わなかった……
「…心配じゃ、無いのか？」
「それは、も、勿論、心配ですけど。でも、
いつまでもこのままって、訳じゃ、無い、でしょう？」
困ったように笑うと、イグアナを押し付けた。
生き物にはそこそこ嫌われる方なので若干
おっかなびっくりにイグアナを受け取る。
何事もなく我輩の腕に収まったそれは、すぐに寝ようとしていた。
「…闇の魔術に対する防衛術って、一年、で教師が、変わるんでしょう？」
「…ここ最近はそうだ。」
「何かあったら、あの子は、悲しんでくれますかね？」
「どうだろうな」
口元に笑みを浮かべて答えると驚いたように我輩を見た。
それからは何も言わず。
会話もなく、物音にも対して気を使わなかった。
それ故に、聞き逃した。
−悲劇まで、あと数時間。
というその言葉を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリ - スネイプ教授大好きです！私の夢小説もあれなら読んでいただけたら嬉しいです！ (2019年7月31日 13時) (
レス) id: 551b9207bf (このIDを非表示/違反報告)
はるがみ(プロフ) - 悪魔の罠の弱点は光だったと思います〜 (2018年11月25日 21時) (レス) id: d88723603a (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ - 超小型コンミスさん» コメントありがとうございます！ですよねぇ、かっこいいですもん！ホグワーツあったらなぁって思います(笑) (2018年2月25日 9時) (レス) id: 246d2e56cc (このIDを非表示/違反報告)
超小型コンミス - 私もスネイプ先生 好きです(｡･ω･｡) ホグワーツ行きたい！ (2018年2月24日 18時) (レス) id: d785573a06 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ - クラp教授様、へ！？本当ですか！？申し訳ありません……！修正いたします！ご指摘ありがとうございました！！ (2018年1月25日 16時) (レス) id: 246d2e56cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひいらぎ | 作成日時：2017年11月21日 21時
