太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ4)

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Ⅰ.【転校生のヤミ】ページ4

Ⅰ. 珠音side

結構時間に余裕を持って家を出たつもりだったけど、HRまであと3分...!!!

自慢の足の速さで間に合う...とか呑気なこと考えながらも全速力で走った。

しかし、学校まであと10ｍ!っていうところで学校の正門が閉まった。

?「ちょっと、あなた!遅刻ですよ!!」

門を飛び越えようとしたら、校長らしき人に止められた。

『あの、私です!2年A組の転校生、桜田珠音です!!』

校長「いくら転校生だからといって、遅刻は遅刻です!...今回は特別ですよ!?入ってください。｣

ピョンっと門を飛び越えて「2年A組」という札がかかっている教室の前に立つ。

すると、教室から疲れ切った顔の先生が出てきた。

?「私は2年A組担任の溝口加奈美です。」

そう言って溝口先生は歪んだ笑顔を私に見せた。

なんでそんなに元気がないんだろう?

...その疑問は教室に入って、一瞬で晴れた。

教室の中でサッカーをする男子達。

携帯で、自撮りをしまくる女子達。

他のクラスは真面目に授業受けてるってのにこの人たちは何をしてるんだ?!

?「おい、お前が転校生の桜田っつー奴か。なかなか可愛いじゃねーか。｣

...誰だよ、こいつ。っていうか、可愛いじゃねーかとか完璧にナンパだし。

?「俺、玉野蒼唯。よろしくな!」

『あ、どーも。』

蒼唯っていう奴のチャラさには呆れた。

加奈美「桜田さんは...来宮さんの隣に座ってください。」

そう言って溝口先生は席を案内してくれた。