太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ28)

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Ⅳ 玲央奈side

珠音にどんな過去があったかなんて正直どうだっていい。

どんなに同情したくなるような過去だったとしても、私の決意は揺るがない。

……だって、水北家の平和を奪った桜田智香の娘なんだから。

あいつらが私と楽しそうに話しているのを見ていると私の良心が痛む。

私もあいつらのペースに呑まれそうになる。

でもダメだ。

私の本来の目的は、桜田家を潰すことなんだから＿＿＿＿。

あの時、アリの処理をしているところに珠音のお母さんがやってきた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『あ、すいません！すぐ帰ります！！』

智香「全然いいのよ！……ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけどいい？」

『……え？』

智香「あなた、水北将広さんの娘さんよね？」

まさか、私のこと恨んでる……？

『はい。それで、手伝って欲しいことって...』

智香「珠音を……

殺したいの。」

そうだ。私は忘れていた。

桜田珠音は、桜田智香の娘だった。

今桜田智香の"お手伝い"をすれば＿＿＿＿

上手く桜田智香を"利用"できれば＿＿＿＿

…………桜田珠音にも桜田智香にも"復讐"できるのかもしれない。

『私も、手伝います。』