太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ27)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:5,044 hit

・ページ27

Ⅳ 珠音side

朝8時。電話の音で目が覚めた。

溝口先生からの電話だった。

電話の音で熾哀も目が覚めたようだ。

『もしもし...』

《桜田さん？溝口です！あなたのお母様から桜田さんが家に帰ってないと学校に連絡があったんです！今どこにいるんですか？》

『シノ……』

やばい、ホントのこと話しちゃうとこだった。

熾哀の方を見ると素晴らしい目つきで睨んでるし。

なんかいい嘘つけないかな……

《シノ……？》

『シノ……原さんの入院してる病院にいます！』

我ながらいい嘘をつけたと思った……が、熾哀にため息をつかれ、素晴らしい目つきで睨まれた。

《篠原さん？うちのクラスに篠原さんはいませんよ？》

『わ、私の幼馴染みです！』

《それで？今どこにいるの？》

『よ、横浜の病院です！』

《どこの病院？》

や、やばい。

熾哀の方を見ると、私に電話を切るように目で伝えてる。

そうだ、電話を切ればいいんだ。

ﾌﾟﾂｯ

よしっ。

熾哀は冷や汗をかいて安堵の表情を浮かべている。

熾哀「連絡先も消せ。そして電源を切れ。」

熾哀に言われたとおりに学校の連絡先を消し、携帯の電源を切った。