太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ22)

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〝シノア〟の独白ページ22

『…私も手伝います』

そう言った彼奴は、笑っていた。

__________水北玲央奈

私が利用していたはずの、ガキ

利用していたはずが、利用されていたとは__________

皮肉な事だな。

途中から、本気で少し信じていただけに、驚きはあったし__________

何より。

騙されていた自分に、腹が立った。

私はあの子の為に苦しむ。

その為に、彼奴等を利用する。

…………私はただ。

あの子に似ていた珠音を救けたかっただけだ、という本心を隠したかっただけなんだろうな__________

きっと私は珠音を裏切れない

……私は、弱い

ずっと、あの子の影を追い続けているのだから。

だから、せめて。

珠音があの子の様にならないように

私は、珠音を救けようとしていいですか

それは、あの子に対する裏切りではないですか

夢の中でさえ苦しみ続けなくてはいけない私が、そんな事を思うのは罪ですか

私はどんな困難でも受け入れます

__________だから、

「誰か珠音を、救けて」

私たちは玲央奈に裏切られた。

でも珠音は裏切らないと信じている。

2人で…必ず復讐を成功させてみせる。