・ ページ20
『なんで大阪なの？』
よく分からないまま新幹線に乗らされた。
今は東京駅から新大阪へ向かう新幹線の中だ。
熾哀「そのうち分かるよ。」
[次は、新大阪＿＿＿＿。]
熾哀「ほら、降りるぞ。」
新大阪駅で降りてから、私は熾哀について行った。
10分後＿＿＿＿。
私は賑やかな街を抜け、人気の全くない裏道を通り、使われているのかもわからない古びた雑居ビルの屋上に連れていかれた。
熾哀「この場所に見覚えないか？」
...ここってただの雑居ビルだろ。
しかも屋上に柵が無いとか危なすぎる。
それに屋上を歩くだけでも床が外れそうになるほどギシギシいってる。
『全然わかんないし、そもそもなんでこんな古びたビルに連れてきた？』
熾哀「連れてきた理由？...そんなの、目的があるからに決まってんだろ。」
...熾哀は相変わらず塩対応だ。
熾哀「...この街って案外ガキが多いよな。小学校が近くにあるからなのかもな。」
そう言って熾哀はこのビルの隣の小学校を指さす。
この小学校...
『ｳﾞｯ...！！』
"お姉ちゃん...！助けて...！！"
お姉ちゃん！？
私の目の前に、ある光景が映し出された。
まだ小学生くらいの男の子が母親と見られる女性にみぞおちを殴られている。
この男の子＿＿＿＿
＿＿＿＿瑞希だ。
熾哀「思い出したか？」
『...うん。』
熾哀「……そうか」
3年前の悲劇＿＿＿＿全部思い出した。
熾哀「それにしてもガキどもは楽しそうに遊んでるよな。」
ここから、小学校の校庭でサッカーをしている男の子たちや、遊具で楽しそうに遊んでいる女の子たちが見えた。
?「瑞希もお友達とサッカーしたかったでしょうね。」
どこか聞き覚えのある声。
...私の母親、桜田智香だ。
熾哀「なんでここにいるんだよ...」
智香「なんでかって？...あなたたちが今日ここに来ることを知ってたからよ。」
熾哀「...盗聴器、か。」
智香「あら、鋭いのね。」
熾哀「じゃあ鍵が開いてたのも...」
智香「そう。私の計算よ。」
なんで...全部聞いてたの？
私は殴られた恐怖からか、その場から足が動かない。
智香「あなたたちがいると迷惑なのよ。だからここで...
...殺す。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SHINE・RYEHL x他1人 | 作者ホームページ：http
作成日時：2017年5月22日 20時
