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秘密の場所(3) ページ17

智洋side






A「今度は…どうだ! …う〜んもうちょいいけるはず」


A「あぁ〜この値を低くしたらもうちょっとコントラストがいい感じになるかな…」




さっきからAが何度も同じ画角で撮影を試みている。


でもこんな時に急かしたり、文句を言わずに大人しく待っているのは、
俺も生み出す難しさを知っているから。

たまに液晶モニターを覗いてみるけれど、正直1枚前の写真と比べても俺にはちょっと分からへん笑


難しいみたいけど、だんだんコツを掴んできたみたいで。
Aが1枚目と比較して見せてくれたけど、最初との差は歴然。


星がキラキラと光る様子を撮影できるようになっていた。




A「どう?」


智洋「最初と大違いやん。めっちゃいい感じ。」


A「よしっ。 学校の課題用はこんなもんかな。 後はいい感じに編集したら提出できそう」


智洋「そっか。 良かったやん課題完成できそうで。」


A「ほんまにずっと決めかねてたから。」


A「! そうや、丁度一眼レフカメラ持ってるし、アースと共にトモを撮ってあげる。」


智洋「え?」


A「ほらほら、アースの横にいい感じに立って!」




言われるがまま立ってみるとシャッター音が再び鳴り始めた。




A「こんなんでどう?」




と言って見せてきたのは、もの凄くお洒落に写っている俺とアースと星空。
どっかの車のCMみたい。


やっぱりAもエンタメと関わることが好きなんだな。




智洋「後でデータ共有してな」


A「勿論やって笑 あんなにカッコいいのを私のデータだけに眠らす訳ないやん」


智洋「じゃあ、そろそろ帰るか」




アースに乗り込んで山を下っていく。

ルームミラーを見ると、斜め後ろでAがどの写真を提出候補にするか決めていた。




智洋「なぁ、A。…あそこに来てさ上を向いたら、無数の星があったやん? あの星がさコンサートとかで見るペンライトの海に見えるんよ。


A「うん?」


智洋「ファンの人の力ってさ、強いんだよ。」


A「推しの姿を色々なところで見れるのも力になるんやで」


智洋「仕事をする上で、どうしたらいいんだろうって迷った時も、あの綺麗な星見て悩みがちっぽけにも見えるし、求められている限り頑張らないとって、くよくよしてられへんって思わしてくれるんよね。」



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作者名:蘭夢 | 作成日時:2022年8月7日 22時

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