年末年始�� ページ33
「お正月ですし、リラックスして
皆さんのこれまでを振り返りましょう。
とっておきの素材もあるんですよ」
司会の先生がにやりと笑ったのは、
私たちの小中学生の頃の映像が残っていて
それを今の容貌と比べる企画があったから。
男子はいいけど、３０前の女子にはキツい。
つい無言になる。
「ああ、この頃の桂木三段、覚えてますよ。
中学の制服、似合ってましたね」
海堂さんは、惜し気もなく褒めてくれて
それが逆にちょっと辛いんだけど
気付いてくれる優しさはないらしい。
「女子校の制服なんて誰でも似合いますよ。
三割、いや、五割増しに見えるものです」
そして二宮さんが辛辣なコメントを返す。
正直過ぎるけど、寧ろ気持ちが楽になって
「二宮六段は、学生時代から脱力してますね、
やる気がなさそう」
負けずに切り返すエネルギーも湧いたわ。
「それなのに勝っちゃう二宮青年って
すごい大物感出てるよね、我ながら。
この頃の私、海堂六段にも勝ってたしね」
「それは、まぐれでしょうね」
「え？３回も続けて勝ったのに？」
ひやひやする会話に司会の先生が慌て出して
やっぱり父が楽しそうに笑っている。
カットがかかった後も言い合っていて
お互いに全く譲らなくて、面白かった。
仲が良いのか悪いのか、両方か、
ライバルも悪くないなって思ったりして。
ふと、隣から面倒で刺々しい空気が襲う。
「桂木さん、余裕なんですね。
そのはったり、やめてもらえません？
大体、海堂さんと二宮さんを天秤にかけて
いいお歳なのに恥ずかしくないんですか？」
しっかりと毒のある言葉を頂いて驚く。
何、それ、答えるのも馬鹿馬鹿しい。
聞こえなかった振り、態度で示して
それからにっこりと笑顔を向ける。
「収録、あと１時間くらいかしらね。
早く終わるようにしましょうね」
特別意味の無い事だけを言ってみる。
これで充分に気持ちは伝わるだろう。
勝負の世界にいれば誤解されることも多い。
全ての人に理解してもらうことなんて
不可能だ。
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おはな(プロフ) - mayuさん» mayuさん、楽しみと言って頂けることに安堵しました。そうですよね、素っ気なく離れて行った彼、また近づいてきた彼の真意を書かなくては。時間がかかってしまいそうですけど、またmayuさんに来て頂けるようがんばりますね。 (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - さる子さん» さる子さん、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。テンポよく更新できていた頃の感覚がなくて、愚痴の様なコメントを残してしまいました。彼の真意に辿りつくまで、しっかり書いていきますね。ありがとうございました。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - たまりんさん» たまりんさん、少しペースは落ちているところ、コメントを頂きありがとうございます。彼の行動の一つ一つに意味があり狙いがあり、気持ちがあるのはもちろんです。それを何とかお話に乗せられるよう頑張りますね。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - おはなさんの書くお話、言葉も、繊細な心の動きも丁寧に書かれていて、面白いです。翔くんは一体どうしたいのか続きが楽しみです！ (2021年1月31日 9時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
さる子(プロフ) - ぜんぜん！がっかりなんて！楽しみにお待ちしておりました。おはなさんのペースで更新してけだされば。彼の真意を想像しながらまっていますので。更新に感謝です。 (2021年1月31日 2時) (レス) id: eb4a575f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2020年12月25日 23時
