睨む ページ25
都会の大通りを直進するタクシーは、
信号で止まる程度で渋滞もなく、
１５分ほどでマンション近くまで来た。
途中、わりと乗ってすぐに携帯が震えたけど
そのまま放っておいた。
マンションのエントランスは、広めの造りで
ちょっとした応接スペースがあり
大きなツリーがきらきらと装飾されている。
根元には、大小様々なプレゼントの箱が
いくつも置かれていて見る度に和む。
今は、それどころではないけれども。
エレベーターで７階まで昇り扉が開けば
左に私の部屋がある。
２戸に一台のエレベーターが設けられ、
右は、少し上の年代のご夫婦が住んでいて
生活パターンが違うらしくて
あまり顔を合わせることがない。
さ、着替えてしまおうっと。
バッグがないのが心許ないけれど
言い換えればそれ以外、どうってこともなく
お湯を沸かしてお茶を入れることにした。
ほうじ茶にするか、黒豆茶にするか、
迷いながら携帯を手に取る。
その瞬間も着信が続いている。
出ませんけどね。
メッセージと着信が増えていくのを
黒豆茶を飲みながら見ていたって
別に罰は当たらないと思うのよね。
悪いのは、翔くんだもの。
−A、何処に行った？−
−帰ったのか？−
−悪かったよ、マジで電話出てって−
ふうん。
追いかけるのをやめると
追いかけられるのかしらね。
何か単純過ぎて面白くないな。
黒のカットソーのプルオーバーに
アンクル丈のゆったりしたパンツ、
完全にリラックスモードに入った私は
携帯画面を睨みつける。
−マンションまで届けに行くから
頼む、下りて来てくれ−
当たり前でしょう、
私のバッグなんだから。
それから数分で、インターホンが鳴った。
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おはな(プロフ) - mayuさん» mayuさん、楽しみと言って頂けることに安堵しました。そうですよね、素っ気なく離れて行った彼、また近づいてきた彼の真意を書かなくては。時間がかかってしまいそうですけど、またmayuさんに来て頂けるようがんばりますね。 (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - さる子さん» さる子さん、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。テンポよく更新できていた頃の感覚がなくて、愚痴の様なコメントを残してしまいました。彼の真意に辿りつくまで、しっかり書いていきますね。ありがとうございました。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - たまりんさん» たまりんさん、少しペースは落ちているところ、コメントを頂きありがとうございます。彼の行動の一つ一つに意味があり狙いがあり、気持ちがあるのはもちろんです。それを何とかお話に乗せられるよう頑張りますね。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - おはなさんの書くお話、言葉も、繊細な心の動きも丁寧に書かれていて、面白いです。翔くんは一体どうしたいのか続きが楽しみです！ (2021年1月31日 9時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
さる子(プロフ) - ぜんぜん！がっかりなんて！楽しみにお待ちしておりました。おはなさんのペースで更新してけだされば。彼の真意を想像しながらまっていますので。更新に感謝です。 (2021年1月31日 2時) (レス) id: eb4a575f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2020年12月25日 23時
