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善は急げだと、
思い立ったが吉日だと、
公園内のカフェでランチを済ませた私たちは
休日のオフィス街に向かった。
静かな無機質のビル群。
百年以上前からここにある古いビルと
未だ建設中の高層ビル。
道幅は広く、手入れされた花壇が続く。
大手商社、海運会社、銀行、
突きあたりには歴史ある駅舎。
この街で櫻井先輩は自分を叶えている。
そう感じて何だか泣きたくなった。
これ見よがしに長かった髪を切り、
連絡を絶って、
そのくせ忘れることも
乗り越えることもできずに
めそめそ泣いていたなんて。
私は、本当に愚かだった。
−自分の長所を最大限に活かして
小さい頃からの夢を叶えるために
毎日努力して成長して、輝いてる人−
先輩は瞳さんをそう形容した。
翻って、私は？
私は、何をどう努力したんだろう。
手を繋いで歩く歩道を風が抜ける。
右を見上げれば、少し緊張の漂う端正な顔。
さっきまでとは違う表情は
ここが先輩にとってどういう場所なのかを教えてくれる。
私は、本当に愚かだった。
大学で目の前の勉強に精を出したって
そんなんじゃ追い付くはずがない。
百人中百人が瞳さんを選ぶと思うだなんて
つまらない劣等感でいじけてる暇はない。
この人の隣にいたいと真剣に願うなら。
「今月からは、決まった先輩と組んで
外回りに出るんだけどさ、
連休前にリストを渡されてれね、
ってことは、調べとけってことじゃん？
俺、知ってるＯＢとかすっごい探して
電話して会いに行ってって、
結構、遠くまで出歩いてたんだ。
車で行くと生意気に見えるかなとか
つまんないことまで考えたりしてさ、
姑息だろ？」
え？そうだったの？
「あの、知らなくって、私、
遅いとか言ってごめんなさい。
お休みでもお仕事してたんですね」
「ああ、うん、そう。
何かカッコ悪いけど」
どうしよう、好きだって叫びたい。
カッコ良過ぎて、対処方法が分からない。
櫻井先輩には私の「好き」が
これでもかってほど、たくさん詰まってる。
先輩が勤める部署が入ったビルは、
静かな街の角に堂々と建ち
案内する彼の声は誇りに満ちていた。
そんな様子を知ることも
彼女、になったからよね。
私が、櫻井先輩の、彼女だもん。
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グクとともに(プロフ) - 彩夏さん» 最後の(笑)バカにしてそう、普通にこうですよ！って教えたらいいのに(笑)って…性格悪いっすね！！バカにしたような発言非常に不愉快ですᵔᴗᵔあっ今更ですがとても面白かったです。作者様の相葉くんがかっこよすぎて惚れました！ (10月8日 4時) (
レス) id: 53881abcf1 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんにちは。久しぶりに読み返したくなり一気読みしました！！翔さんの解りにくさ・・・松潤のイケメン！！来世付き合えるなら松潤と付き合いたいですね！ (2021年1月11日 16時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - 遅くなりましたが、完結おめでとうございます。物語の筋道の立て方や感情描写がとても丁寧で、読んでて泣いたり笑ったりできました！おはなさんが紡ぐお話を楽しみにしています！ (2019年8月12日 19時) (レス) id: 28cff46a84 (このIDを非表示/違反報告)
kazu(プロフ) - おはなさん。嬉しいお返事ありがとうございました。おはなさんの作品大好きです。私は本当にいい大人です。その大人が夢見る空間がここなんです。大好きな彼等の作品、自分が主人公ちゃんに成り切って夢が見れる素敵な空間。これからも素敵なお話に浸らせて下さい。 (2019年7月21日 21時) (レス) id: 3d79f0a9bf (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - 彩夏さん» ご指摘頂き、恐縮しております。彩夏さんに笑われないよう、十分注意しながら書いていきたいと思います。大変失礼いたしました。 (2019年7月11日 21時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2019年6月2日 0時
