04-違うカタチの ページ6
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時は流れ、私と冴ちゃんは十三歳、凛ちゃんは十一歳になった。
二人は四方八方から畏れられる最強コンビとなっている。お姉ちゃん、感激のあまり涙が出てきたよ。だけどさ、
「いくらなんでも、スペインまで行かなくたって良いじゃん!!」
「うるせぇ。声のボリューム落とせ」
前世で原作を読んでいたから、冴ちゃんが十三歳でスペインに旅立つ事は知っていた。だけど、この十三年間で私はかなり冴ちゃんへの家族としての愛情が芽生えていた(もちろん凛ちゃんも)。
正直、行って欲しくない。どうしても行くと言うのなら、私も連れて行って欲しいレベルで。
「だって、何年も冴ちゃんと会えないんだよ?そんなの私死んじゃう…」
「そんなんで死ぬ訳ねぇだろ。姉さんアホか」
「凛ちゃん助けて弟が辛辣」
「姉ちゃん、俺も弟だよ」
あー、凛ちゃん天使。目がキュルキュルしてる…。
それはそうと、冴ちゃんの口の悪さはどこからくるの。ナイトスノウとかU20戦とか、まじでバグってるよ君。同じ血が通っているとは思えない。
ふと、二人の顔を見て思う。
「てか何で二人とも私への呼び名変えちゃったの!?」
「あ?」
「え?」
冴ちゃんがスペインに行くのと同レベルでキツイ事。それは二人とも私への呼び名が幼少期と異なる事だ。
凛ちゃんの「お姉ちゃん」から「姉ちゃん」はまだ分かる。でも、冴ちゃんの「姉ちゃん」から「姉さん」はどうあがいても分からん!!!姉ちゃん悲しくて初めて聞いた時、身体中の力抜たよ!?
「思春期だから分かるんだけどさぁ。いきなり変えるのはやめてよ…」
「じゃあ何だよ。『今日から呼び方変える』って言えば良かったのか?」
「うん…」
「…姉さんって変人だよな」
「酷くない!?」
ツッコミだけじゃなくて、私のメンタルも破壊しにくるのやめて…。確かに冴ちゃんは破壊者だけども。
「凛ちゃん…冴ちゃんがぁ」
「姉ちゃん元気だして」
「つーか、その冴ちゃん呼びもいい加減やめろよ」
「それは無理」
前世から染み付いているんだ。簡単にやめられるものではない。やめようと思えばやめられるんだろうけど。
「もう良い。文句ばっかり言う冴ちゃんなんか嫌い」
「…この後、いつものアイス食べに行くけど。姉さんも行くか?」
「え」
「行かねぇのか?」
「行く行く行く!!行きます!!」
前言撤回。なんだかんだ言って、姉さんの事大好きな冴ちゃん大好き。
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NONAME(プロフ) - ヤンデレ凛ちゃん最高過ぎる!!更新楽しみに待ってます! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 2ae7d2d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - ヤンデレ!いい!私もヤンデレ系書こうと思ってるので参考にさせてもらえると嬉しいです! (12月1日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (7月19日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!!大好きな作品なのでずっと待ってます!!無理しない程度に頑張って下さい! (4月23日 21時) (レス) id: 94c7c88031 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 更新は停止してしまったのでしょうか、、?ずっと待っています!! (4月23日 1時) (レス) id: 5db421dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りよ | 作成日時:2023年3月27日 16時