01-推し兼弟兼天使 ページ3
･
「おい姉ちゃん。なにぼーっとしてんだよ」
「大丈夫？」
そう言って、ベンチに座っている私の顔を覗き込む弟兼推し。彼らの姿を見て、何度「夢にしてはリアルだなぁ」と思った事か。今ではもう慣れてしまったのだから恐ろしい。
「何でもないよ。冴ちゃん、凛ちゃん」
「…なら良いけど。あと冴ちゃん呼びやめろよ」
少しツンとした態度をとる冴ちゃん。彼の近くにいた凛ちゃんは、黙って私の腰にしがみつく。二人とも天使じゃん。好き。前世からの念願がこんな形で叶うとは。人生分からないもんだね。…いや、一回死んでるからノーカンか？
散歩中に突っ込んで来たトラックに轢かれて不憫にも死んだ前世の私。目が覚めたら隣に推しがいたものだから、思わず大声で叫んでしまった。幼かったから言葉になってなかったけど。
悲しい最期だったから、神様が夢で推しに会わせてくれたのかと思っていたが、いつまで経っても覚めない為ある日「これ現実じゃね？」と思うようになった。幸か不幸か、その勘は当たっていた。
そうして、今は推しの姉という立場で第二の人生をエンジョイしている。
「冴ちゃんは、ほんとにサッカーが上手だね」
「当たり前だろ。俺が世界一のストライカーになって、日本をW杯優勝させるんだからな」
「うんうん。そっかそっかぁ」
あまりのかわいさに適当な返事をしてしまい、それに対して「真面目に聞けよ」と一蹴された。冷たいけど今のは私が悪い。というか冴ちゃんが悪い事なんてこの世には存在しないよ。
てか幼いのにビジュ良過ぎて泣きそう。下まつげ&パッツン前髪バンザイ。
「こんなにかわいい弟がいて私は幸せだよ…」
「双子だから年齢変わんねぇだろ」
「それ言ったら終わりだよ」
近所の公園でサッカーしてるだけなのにイケメンってどういう事？いや、今はまだかわいいの方が勝ってるな…。
「お姉ちゃん、俺おかし食べたい」
「ゔっ。お姉ちゃんがいくらでも買ってあげるよ…何が欲しいの？」
「今お金持ってねぇだろ。一回家帰るぞ」
凛ちゃん可愛過ぎだし、弟なのに今からイケメンの風格が出てる冴ちゃんかっこよ過ぎだし。私の弟達なんなの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2087人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Edisa(プロフ) - 続き見たいです！ (4月8日 0時) (
レス) @page24 id: 7c18e46756 (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ヤンデレ凛ちゃん最高過ぎる！！更新楽しみに待ってます！ (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 2ae7d2d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - ヤンデレ！いい！私もヤンデレ系書こうと思ってるので参考にさせてもらえると嬉しいです！ (12月1日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (7月19日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです！！大好きな作品なのでずっと待ってます！！無理しない程度に頑張って下さい！ (2023年4月23日 21時) (レス) id: 94c7c88031 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りよ | 作成日時：2023年3月27日 16時
