番外編:幸福の石 ページ22
・
ダルい雰囲気の流れる学校も、昼休みになれば水を得た魚のように活気が溢れる。
俺は席替えで窓際の一番後ろ、俗に言う主人公を勝ち取った心操の席で一緒にお昼を過ごすのだ。
「ねぇAくん！お願いがあるんだけど‥」
今日もいつも通り心操の席でご飯を食べようと、心操の前に座った所で予期せぬ来客があった。
「うん？いいけど、どうしたの？」
「これ！この宝石！本物が見てみたいの、Aくんの個性で出来ないかな？」
「もちろん出来るよ。その本のやつ？ちょっと本貸して。」
やった！とはしゃぐ彼女が渡して来たのはパワーストーンの特集本。
ああ〜女子ってこういうの好きだよなぁ〜
どれどれ、どの宝石だ‥
特集本の大きな1ページ。
目に入る宝石に、息が詰まるのを感じた。
「アクアマリン‥」
「そうなの！アクアマリンは天使の石って言われてるらしくて！石言葉は“幸福に満ちる”なんだって！もう一目惚れしちゃって！」
「‥うん、出来るよ。ちょっと待ってね。」
本を閉じて手に意識を集中させればパキパキという音を立てて大きなアクアマリンの結晶が錬成された。
「ありがと〜！一ヶ月だっけ、効果が切れる前に返した方がいい？」
「ううん。一ヶ月経てば自動で消えるから大丈夫。」
「そうなんだ、分かった。本当にありがとう！」
「いえいえ」
笑顔で手を振る彼女に、俺も笑顔で手を振り返した。
友人の元へ駆け寄った彼女は、興奮気味に何かを話しているようだ。
・
アクアマリン。
海のような安らぎと癒しをもたらしてくれる、幸せな喜びの証。
「‥‥」
最も、俺には安らぎも癒しももたらしてはくれなかったのだけど。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジル(プロフ) - 紅葉さん» 訂正コメほんっとうにありがとうございます！！助かりました（ ; ; ） (2019年2月6日 11時) (
レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - 満さん» 感が鋭い‥続編で出しましたが、ボルツです！皆さんとても宝石にお詳しい‥！ (2019年2月6日 11時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - 童話さん» コメありがとうございます！この個性だとバンバン悪用できそうですもんね笑 使い方によって良いものにも悪いものにもなる設定が大好きなんです‥ (2019年2月6日 11時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - カステラさん» 宝石の国は見たことがないのですが私も今凄く気になってます‥轟くんいいですよね、天然っぽいところがまた‥！ (2019年2月6日 11時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - 加藤さん» 誕生石は月別と日別があるようです！私もこれを書き始めて勉強したのですが、自分の誕生石とか調べるの楽しいですよ！ (2019年2月6日 10時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジル | 作成日時：2018年12月3日 23時
