【銀魂】カ ミ サ マ

火の用心 ページ4

ー総悟サイドー



見慣れた屯所。最近は老朽化が激しく、
一歩踏み出せばキシキシと悲鳴をあげる。

漂う紫煙を察知し、Uターンを試みた俺だったが、
失敗した。くそ、あの女に調子を崩されたせいだ。


ーーー案の定、野郎のお出ましだ。






「・・総悟テメェ、帰宅が少し早すぎると
感じるのは俺の気のせいか？」

「気のせいですよ。歳取ると時の流れを
早く感じるっつーでしょ」

「誰が年寄りだ」



年寄りがこんだけヤニ中だったら世話ねーや。
早死に確定だな。そのまま順調にいけ。

むせかえりそうな紫煙をまとうそいつに、
俺は遠慮なく面倒臭いという表情を見せつける。


もちろんこれはいつものことなので、土方が露骨に
反応することはなくなったが。日々の積み重ねが、
いつか爆発するかもしれない。継続は力なり。





「サボってたにしちゃァ随分疲れたツラしてんな。
何かあったのか」

「偏見はいけねーや土方さん。そういうのが
いじめの火種だってわかんねェんですかィ。
仕事くらいしっかりやってます」

「・・・その火種ごと俺を消そうとしてるな今」

「いやぁ、火の元は根源から絶つべきかと」




構えたバズーカは一瞬にしてバレた。いや、
こいつの隙を見て弾を打ち込むという作業をする
気力がなかったのだ。なぜかって？やはりあの女の
せいだろう。





「まあいい。帰ってきたなら始末書片付けとけ」

「あー、多すぎてわかんねェや。どれですかィ」

「威張るな。全部だ」



仕方ないじゃないか。火の元を根源から絶とうと
すると、どうしても大規模な攻撃が必要なのだ。

毎度建物を壊してしまうのはご愛嬌だろう。

更生所→←髪を求めて三千里

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す