【銀魂】うまく生きる為の方法

地頭 ページ37

「・・母さんも父さんも、兄さんも、目に見える結果を出すこと以外で得られる幸せや充実感を知らないんだ。だからあんなに貧しい人間になってしまった」


友達と喧嘩をして、怒り悲しみ、反省する。
私の家族は、それを知らないんだ。

くだらない、喧嘩なんてガキの揉め事だと、
そんな言葉で一蹴してしまっている。



なんと虚しくて寂しくて、
もったいないことなのだろうか。



ーーー家を飛び出した私は、
その答えにいきついていたはずだった。

・・それでも彼らを否定できなかったのは_____、





「ほんとはね、心の奥底で、こんなつまらない大人にはなりたくないって思ってたんだよね。軽蔑してた。・・でも、家を飛び出して逃げ続けてる私が、
そんなこと言ったって、負け惜しみでしかないよ」




結果を叩き出して家族の引き止めを振り切って
気持ちよく独り立ちしたわけでもない。
言いたいことぶちまけて、
勘当を食らったわけでもない。





「ーーー何も言わず、何もせず、私はひっそり
家から逃げ出した。無理だと諦めたの」



現に両親や兄貴は、社会的に上り詰めている。
隠れてコソコソ相談室を開いている私が批評する隙
などないのだ。







「・・逃げたんじゃねーだろ」



少しの沈黙の後、
ここまで黙って聞いていた坂田さんが口を開いた。




「え？」

「人にはそれぞれ適した環境ってのがあんだろ。
お前の兄貴も両親も、たまたま実力社会で
エリートコースまっしぐらな環境が
性に合ってたってだけだ」




「で、お前には合わなかった」続けて言い切った彼は、冷めきった煎茶を飲み干した。





「適さねェとこでいくら頑張ったって花開くわけねーだろ。それこそ無駄な努力ってやつだな」

「ちょ、バッサリ言うなぁ」


「アホ。人生楽しんだモン勝ちって言葉を
知らねェのか」



まあ確かに、この人は人生好きなように楽しんでるんだろうな、ってのは伝わってくるけども。

そう思えば、クスリと笑みが漏れた。





「人間向き不向きってのがある。
不向きなソレにどうしてもなりてェっつーなら、
人生賭ける価値はあるが・・、お前は両親や兄貴が
向かったコースに乗りたかったのか？」


「・・乗りたくない、けど」

「おいおい、不向きな上にやりたくねェモンに
人生賭けるなんざアホだろ」


「あの、サラッと不向き決定？」

「お前、地頭は悪そうだしな」
「オイ」


いいこと言ったと思った瞬間にコレだ。

うまく、→←フラットな

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