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無償の愛 ページ30

目の前で揺れる銀髪。
気だるげな赤い目が、疑い深く歪む。




「何でそんな否定すんだよ。向こうが本気だったら
どうするわけ?」

「はっ、素人が」

「おいテメェ・・さっきから素人ってなんだよ
俺のラブテクなめんなよ!!」

「テク関係ないでしょ」



人の真意なんて誰にもわかんないでしょうに。
言葉では何とでも言える。

もっと難しいことを言えば、自分の本音に、実は
自分も気づけていない場合だってあるのだ。


今は雰囲気や敬愛に流されてラブな展開を
好んでいても、ふと目が冷めれば
俺は一体何を・・?って。変な喪失感に浸る羽目に
なるのだから。





「だいたい、なぜ私なのかね」

「は?」

「優しくしてくれる人は多いけど、私は何を返せる
ってわけでもないのにさぁ」


見返りを求めて動く人間を軽蔑なんてしない。
それが本来、あるべき姿なのだ。

損得勘定で動くことは、むしろ当たり前のこと。



人のために働きたい!なんてキラキラ輝いてる若者も、心の底では、認めてほしい賞賛してほしいって
思いが隠れてる。

それが、気づけていない本音というやつだ。





「無償の愛ってやつァ、確かに胡散臭ェよな」



いつもの調子と違い、しんみりと坂田さんが
いうものだから、つい顔を上げる。

真剣な表情のその男に、すこーしだけ、ドキリと。
胸が高鳴った気がした。





「でも、全くねぇってわけじゃねーと思うぜ?
無償の愛をバラまける奴は、つまり大馬鹿って
こった。なにせ自分が損しても人が助かりゃ
嬉しいんだからよ」

「・・ばか?」

「そ。賢い奴は借金の肩代わりなんざしねェの。
助けてやろうと善意全開で金貸して逃げられたとか
いう話、うんざりするほど聞いたことあるだろ」

「たしかに」

「ありゃ大馬鹿だろ?」

「・・ん、」


「つまり、無償の愛もあんだよ。
見返り求めずお前に世話焼く奴もいんの!」




何の話をしてるんだろう。
この人も相当酔ってるんだ。そうじゃなきゃ、
真剣にこんなことをいうような男じゃない。

こんな、説得力のある話____・・、





「まあ、親から子への愛もそれだろうな」






ーーーああ、"それ"はだめだ。心が、冷える。






「全ての親が、そうとは限らないよ」

「あ?」
「あんたの親がそうだとしても」



嘲笑じみたセリフと共に視界が歪む。
あれ?まだ、三杯しか飲んでないのに。





「どうだろうな。俺は親知らねーし」



あっけらかんとしたその声を最後に
私の意識は閉じた。

タクシー扱い→←三杯目からの話



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - 白桜姫さん» 更新が遅くなって申し訳ありません…!読んでくださり、ありがとうございます!時間を見つけてチマチマとですが、更新していきますので、よろしくお願い致します! (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます!連続更新が難しい中、こうして足を運んでいただけて嬉しいです!最後まで、しっかりたどり着きたいと思います! (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - なっかさん» ありがとうございます!こんな亀更新にお付きあいいただき、感無量でございます…!やはり、頭撫で撫では女のツボですよね!! (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 久しぶりの更新嬉しかったです!次の再新も楽しみにしてます^ ^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - シュシュ様の作品はどれもギャグ要素と恋愛要素の緩急が素晴らしくて読んでいて飽きません。無理なさらずにシュシュ様のペースで更新頑張ってください! (2018年10月31日 0時) (レス) id: a393c4fa96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年9月23日 12時

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