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惜しい ページ17

ー銀時サイドー


本日、晴天なり。

絶好の仕事日和と言えないでもないが、
肝心の依頼がないわけで。
ひたすら欠伸を漏らすことに神経を使う。


家賃回収から逃れるため、俺は町をプラプラと
闊歩していた。ーーのだが、








(・・あー、やっちまった)




目の前には、"心の相談室 鹿地"の文字。
歌舞伎町から少し離れたここに、いつのまにか足が
向いているのは、とんでもねェ暇を持て余した末に
たどり着いた退屈凌ぎなのか。

ガシガシと頭をかいた。

ここに何を求めているのやら、
あいつ、ーーAと出会ってから、いまだそれは
分からずじまいだ。

それに現実問題、この中に入るには金がいる。

意味不明のバカだな俺も。
苦笑とともに踵を返そうとした俺だったが、

・・それより先に、相談室の扉が開いたのだ。



白く清潔な建物の中から出てきたのは、
かったるそうな表情でタバコをふかす、ここの代表

ぼけっと空を眺めながら、紫煙を吐き出す姿に、
思わず固まってしまった。



ぽつんと佇んだ姿は、ゆらゆらと意志なく、
透けているように思えた。









「ーーーーあ、」

「ッ、」




そんな無防備な感じで眺めていたせいか、
突然首を動かしたAの視線に、
入り込んでしまったらしい。

そいつは俺に気づき、小さく声をあげた。





「よ、よお」

「・・何してんの。空き巣?」
「何でよりによってその可能性に行き着いたんだ」



眉をひそめ、「え、違うの?」ととぼける女に、
若干苛立たずにはいられない。




「お前こそ、こんなとこでサボりかよ」

「違う!今日は定休日!」

「なら休日出勤か。そりゃご苦労なこった」

「うっさいなぁ」



短くなったタバコを、携帯灰皿に乱暴に押し付けた
Aは、「じゃ、そういうことで」と話を切り上げた。相談室へ戻るつもりらしい。






「待てって」

「ッ、ちょ、なに、離してくれる?」




咄嗟に腕を掴んだ理由は、
まだ特に思いついてなかった。・・が、しかし、
このままこいつと別れてしまうのもなんだが惜しく
感じられて。









「ーーーまた、愚痴らねェ?」




そいつの顔は、呆れたように歪んだ。

不思議メンタル→←人と人生



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - 白桜姫さん» 更新が遅くなって申し訳ありません…!読んでくださり、ありがとうございます!時間を見つけてチマチマとですが、更新していきますので、よろしくお願い致します! (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます!連続更新が難しい中、こうして足を運んでいただけて嬉しいです!最後まで、しっかりたどり着きたいと思います! (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - なっかさん» ありがとうございます!こんな亀更新にお付きあいいただき、感無量でございます…!やはり、頭撫で撫では女のツボですよね!! (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 久しぶりの更新嬉しかったです!次の再新も楽しみにしてます^ ^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - シュシュ様の作品はどれもギャグ要素と恋愛要素の緩急が素晴らしくて読んでいて飽きません。無理なさらずにシュシュ様のペースで更新頑張ってください! (2018年10月31日 0時) (レス) id: a393c4fa96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年9月23日 12時

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