【銀魂】可もなく不可もなく

質問 ページ41

どうしたことだろうか。先程から、ちっとも顔の熱が引かないのだ。加えて、動悸も激しく息苦しい。

気を紛らわそうと、本を開いてみたが、
全く効果はなし。



居間のほうで、ダラダラとくつろぐ3人は、
依頼をこなしに来たというより、遊びにきた客人の ような振る舞いである。・・まあ今はそれはいい。




(ーーー問題は、)




この動悸と熱の原因。
先刻の銀さんの言葉である。








"似合ってる"




ぼそり、呟くような言葉が届いたのは私だけ。
神楽ちゃんたちには、聞こえていなかったようで。

今は何でもなかったかのようにふるまう彼は、
私が、たった一言で一憂していることに
気づいていないんだろう。





(・・甘い言葉をあんなにさらりと、)




これは、もしかするともしかするかもしれない。
いよいよ店長説が濃厚になってきた。
言い慣れてるというか、囁き慣れてるというか。
スマートに女性を褒めるなんて、手練れの技だ。







「ーーーA、テレビつけていいアルカ」

「っえ！？あ、はい、どーぞ」

「何慌ててるネ。ヤラシイ妄想でもしてたのかヨ」

「違いますよ」




いや、あながち間違ってないか。
ため息とともに肩を落とす。

おかしいな、神楽ちゃんより数個も年上のはずなんだけど、威厳なんてありゃしない。



暫くして、有名なドラマの主題歌が流れだした。
主人公扮した女優さんの声が聞こえる。なるほど、
再放送をみたかったのか。

内容としてはバリバリドロドロの昼ドラらしい。
食い入るように見つめる神楽ちゃんをよそに、
新八くんは音楽プレイヤーをいじっている。

本当、この人たち何しにきたの。

おかげで家主の私はキッチンの食事用テーブルに
追いやられている。






「ったく、ガキどもは呑気でいいよな」

「ーーわっ！？」


「・・何だよ」
「い、いえ、何も」




あ、厠借りたぞ、と。
済ませた後に報告か。銀さんらしい。

いやはや、人間とはこんなにも簡単にバックを
取られてしまうものなのだろうか。おもむろに
私の横に腰掛けたその人は、あくびをもらす。

ちらりと横顔を伺えば、やる気のなさそうな目を
筆頭に、全体的にしまりがない。
どうみても、モテ男とは言い難そうだが。








「・・あの、銀さん。一つ質問してもいいですか」

「あ？」

「聞き様によってはかなり失礼に値するかも
しれないんですけど」

「俺にそんな確認取る奴ァテメェくらいだな」


「え、ええ・・」


普段からどんな質問されてんの

怒涛の貶し→←スマートに

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す