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隠し事 ページ35

『…へぇ!そんなことが!案外面白いところもあるのですね国木田殿!』



「…ええい煩い!」



「それで、それでねAさん!」




顔を真っ赤にして震えている国木田殿と、満面の笑みの(はく)少年と私。





毎月見舞いに来る国木田殿のたまの失態が、お茶目だったものでこうして談笑していた所だ。




白少年は最初はおどおどしていたものの、少しずつ話す内に満面の可愛らしい笑みを見せてくれるようになった。




自分が何処で何をして、自分を見失ってしまったのかは判らない。





芥川龍之介に認知されているということは、元は裏社会にでも居て、


悪事を働いていたのでは無かろうかと思っていたが、



一人の少年を助けられる位には器量を持った人間であれたのだろう、と少し安心すると共に、


この可愛らしい笑顔を守れてよかったと本当に思った。





そうこう談笑しているうちに、真っ昼間だった空は茜色に染まり始め、そろそろ腹が減る頃だと思い立つ。






『…国木田殿、そろそろお暇しましょうか。


…白少年、そんな顔しないで。何時でも会いに来る。


今度は国木田殿が何時も悩まされている、唐変木の上司や、


私と一緒に入社した虎の少年も一緒にお邪魔するよ。』






白少年が寂しそうな顔で俯くのを見て、此方まで泣きそうになる。




明るい性格の子とはいえ、このくらいの年齢とあらば、



外で思いっきり遊びたいし、友好関係を築き始める年頃でもあるだろう。




然し白少年は外にもでられなければ身内も居ない。




こうして人が訪ねてくるのも一月に一度。





「…あの、あのねAさん、ぼく、うれしかったの。お姉ちゃんができたみたいで、…その、だから、」


『うん。』



「…A姉さんって、よんでもいい?」





『もちろんだよ白少年、否、此方も白と呼ぶべきかな。』



 


「やったあ!」





満面の笑みを浮かべ乍、抱き付いてくる白を見て、私も弟ができたみたいだ、とは











云えなかった。

前職中てゲエム→←純白、然数多の焦燥感



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うみねこ(プロフ) - sakiさん» わざわざ受験の応援までありがとうございます😢これからも精進致します!!!ので!!!!どうか御愛読下さいッッ!!!! (2022年3月13日 22時) (レス) @page41 id: 162766b2fc (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!これからも頑張ってくだい!!!!!! (2022年3月12日 21時) (レス) id: b490b17036 (このIDを非表示/違反報告)
saki - 入試頑張ってください!!!!!!!この小説特に好きです!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2022年2月15日 21時) (レス) @page41 id: 0fd44e5e71 (このIDを非表示/違反報告)
うみねこ(プロフ) - 完熟済みの桃さん» イヤァ゛!!!!!!!私からすれば貴方しか勝たんです!、!!!!!特大ありがとうございます!!!!!!!!!!!お待たせしまくってほんと、、、申し訳無い!!!!!! (2022年2月15日 17時) (レス) @page40 id: f55211ea64 (このIDを非表示/違反報告)
完熟済みの桃 - まじでこれしか勝たんと思いました。更新待ってます (2022年1月20日 21時) (レス) @page40 id: f290e00cd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみねこ | 作成日時:2021年8月19日 0時

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