俺とヒミツの恋、しよ？ deep night ver. 3.5

just　one　day　52　JN ページ5

大きなプロジェクトは無事に成功したしその分沢山の犠牲もあった。





転勤の話はキミに絶対知られたくなかったしそこはオトナの男のプライドが許さなかったと言えば聞えはいいけど……ただの格好つけ。





そんな俺は言葉が足らず、キミに沢山我慢をさせては泣かせて……でも精一杯の感情をぶつけてくれたあの時のキミが本当に健気で愛しくて本当、敵わないなって思った。






高校生のキミと社会人の俺。
歳は１０も離れててキミは小さな頃から俺しか見てなくて。




真っ直ぐにぶつかってまっさらで純粋なキミにオトナを教えてあげたいしもう我慢させたくないし俺だって……もう限界。







ユンギはそんな彼女の兄で俺の親友で。
ぶっきらぼうに見えて妹を本当に大事にしてるのは分かってる。
そろそろ俺に任せてほしいな……でも俺が年甲斐なく暴走したら止めてくれないかなって思ったり。









明日は二人にとってのはじめてのデート。
電話で明日は迎えにいくよ、と伝えれば遠慮がちにちゃんと駅前で待ち合わせしたい、私を見つけてほしい、なんて言ったキミ。
……ちょっと待て。可愛すぎだってまじで。








できなかったこと、沢山しよう。
やっと時間に余裕ができて心にもゆとりができたしその分沢山楽しもう。





たった１日かもしれないけどきっと忘れられない日にしてあげるから。









　

　
おやすみ、と電話を切り缶コーヒーをぐいっと飲み干しパソコンをそっと閉じて。






　
会社の駐車場までの道で見上げた夜空は星がいっぱいで……俺はまた頬が緩んだ。






　





　


　
疲れているから寝坊しちゃいけない、と思ったのに案外すんなり起床したし何ならアラームより早く起きた俺。




カーテンを開ければ思いの外晴れていて今日は本当に……デート日和。









　
身支度をして時間を確認して部屋を施錠して。
マンションの地下駐車場にある車に乗り込んでお気に入りの曲をかければ気分は最高潮。






ちょっと渋滞してて、駅前近くの駐車場も空いてない、なんてトラブルすら気にならなくて。





でも迫る時間に急ぎ足で待ち合わせ場所に向かえば……見つけた。






少し不安そうで、時々照れくさそうに下唇を噛んだりして。
きょろきょろしたり手鏡で前髪を直してたり。
……俺がキミを見つけないわけない。







　
でもそれも束の間で二人組の男の子がキミに声をかけていて、俺は迷う事なく足を進めた。









　
　

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