just dance 34 ページ34
｢……おっ、おはようございますっ！｣
ばくばくと鳴る心臓と少し震える手。
朝のオフィスには小さな声で挨拶をして誰にも返事をされなかった以前の私とは少し違う声が響く。
……緊張は、する。
だって今までの私は本当に地味で隅っこでひっそりだった。誰にも迷惑をかけないようにずっと影に隠れてひたすら出しゃばらないようにしてた。
でも、今日からはそんな自分はやめて大好きなあなたにふさわしい人になりたいと心に決めた私がいるんだ。
仕事も、恋も、夢も、全部全力に、前向きに。
……あなたがそれを私に教えてくれたから。
｢……え、……誰…？｣
｢……新入社員って今の時期入んないよね……？｣
｢……あのー……どなたですか？｣
私の声に振り向いた社員たちがきょとんと見つめて。
一斉に振り向き、妙な空気が流れてしまえばまた手が震えて下を向いてしまいそうになるけど、もうそんな私はやめたんだ。
｢……おはようございますっ、あの、私はっ……｣
俯きたくてもぐっとそれを我慢して。
ジャケットの胸ポケットから社員証を取り出しそれを首にかけて皆を見上げる。
HS｢……おはようございまーす…………あれ、何この空気…
って……えっ！？……ちょ、Aっ！？｣
｢……おはようホソクくっ……わぁっ！｣
HS｢え、？なんでっ！？いきなりどうしたのっ、｣
｢……ふふっ。びっくりした？……あのね、私っ……ひゃっ！｣
社員たちを見上げて改めてちゃんと挨拶しようと向き直った時、大好きな人の少し眠そうな声が聞こえて。
いつもは自分のデスクからひっそりと見ていただけだった私だけど、今日からはちゃんとあなたに向き合いたい。仕事もちゃんと頑張りたいから。
思わずホソクくんの声に顔を向ければ私と目が合った瞬間に大きく見開かせて、慌てた様子で肩を掴んでまじまじと見つめる彼の焦りっぷりが可愛くて笑みがこぼれた。
他のスタッフもいても全然お構い無しな彼はぐいっと手首を掴んで引き寄せて。
周りの皆も困惑するのを無視して私をあの場所へと連れ出した。
ぱたん、とドアが閉まった、ヒミツだったここはオフィスの小さな給湯室で。
……ここからまた、私たちは新しくスタートするんだね、なんて１人私はまた微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)ななナル(プロフ) - もう何度も読み返してます^_^大好きなお話です。 (2021年5月29日 22時) (
レス) id: 97d380efff (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - kuro｡｡さん» 読み返してくれるだなんて感激です！これからも好きでいて頂きたいので作者また頑張ります！テヒョン編も読んでくれたら嬉しいです(*^^*)コメントありがとうございます！ (2019年6月9日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - あやさん» あやさん！？お久しぶりですー(*^^*)作者の妄想に付き合ってくださいね笑わーい頑張ろうっと(*^^*) (2019年6月9日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - たきゆさん» 最高なコメントをありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！ドキドキを継続できるようがんばりますね！テヒョン編もはじまりましたのでよかったら読んで下さいね(*^^*)ありがとうございます！ (2019年6月9日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ぽちさん» 嬉しいよー！いつもいつも本当に励みになります！ホソクくんは書いてて楽しかったし新鮮でした笑 次のテヒョン編もぜひぜひよろしくお願いしますね(*^^*) (2019年6月9日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱーふん
| 作成日時：2019年5月24日 14時
