俺とヒミツの恋、しよ？ deep night ver.

just　dance　11 ページ11

HS｢……あれ？もう誰もいないと思ったのに……A？｣









　


　
立ち上がりバッグに荷物を纏めていれば声を掛けられて振り向いた先にいたのは……ホソクくん。





……いつもいつも私はタイミング悪いと思う。
どうしてこんな時にホソクくんはここに来ちゃうの。勝手に泣いてしまってるのをあなたには見られたくない。







　

　
　
｢……お疲れ様ですっ。私は今上がるので丁度良かった、戸締まりお願いします。……お先に失礼しますっ、｣




HS｢……待って。A、なんで泣いてるの？｣









　

　

ハンカチを頬に押し当てていたその手をぱしっと取られぐいっと顔を覗き込まれて。




ホソクくんと最近は妙な距離感があって避けられてるような気がして。
今は私たちしかここにはいないのに今ホソクくんを見てしまえばまた涙が溢れそうで慌ててこの場から離れようとしても彼はそれを許してくれなくて。




社内でどんなにツライことがあっても今まで泣いたことなんてなかった。





前の職場で上司からセクハラを受けた時すら我慢してたし思いきってやめちゃえって直ぐに行動した。





でも私はどうしてもホソクくんの事になれば感情的になってしまう。
いつだって私は彼の事でいっぱいで泣いてしまうしそれに加えて卑屈になって嫌な気持ちだって持ってしまうんだ。









　
　
｢……なんでもない、です。｣




HS｢……いや、なんでもなくないじゃん。｣




｢…ぐすっ……飲み会に行くなら行ってきて下さいっ。
私はもう帰りますっ……｣









　
あぁ、嫌だ。どうして私っていつもこうなの。
別に皆とホソクくんが一緒にいるのは慣れっこだしホソクくんは皆のホソクくん。





避けられる理由をちゃんと聞けないくせに、泣いてるくせに泣いてない、なんて逃げる事しか頭にない私は子供みたい。




あなたに好き、の気持ちも言えずにあなたの行動１つに一喜一憂して逃げ出したあの時と今はあまりに似すぎてて……何度繰り返してしまうんだろう。









　
HS｢……俺に、触られるの……嫌？｣









　
ホソクくんにほんの少し強く握られた手首は神経が全部集中してるみたいに……熱い。
気持ちはめちゃくちゃでもこんな状況でも触られるのは久しぶりで……やっぱり私はホソクくんが大好きで。







なのに……なんで？
なんで、ホソクくんが悲しそうな顔、するの。






どうしてその手を……離すの。









　


　




　
　

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