love is not over 11 ページ11
「……Aちゃんはこういうのあんまり慣れてない感じ?」
「…………っ、はい。……なんていうか……緊張しちゃって、」
居酒屋で私の隣に移動してきた男の子の声にハッとして。
グクを目にした途端、過去にトリップしていた自分に溜め息が出そうになる。
……私はまだ呆れるぐらい弟が好きなんだな、って思いしらされて。
この場にグクがいる、私がこの席に、合コンに参加しているという時点で互いに過去は精算して前に進んでるっていうことなのに私はさっきからグクばっかりだ。
聞きたい事はたくさんあって。
サッカーは今でも頑張ってるの、あんなにレベルの高い大学をどうして選んだの、今どの辺に住んでるの。
まさかこんな場所で再会するとは思ってなかったけれどグクを囲む綺麗な女の子たち、それに対してにこっと微笑みながら相づちをうってる様子をみれば弟は私の知らぬ間にそういうのも慣れてるんだなって理解できて。
未だに過去を引きずり、なんにも変わってないのは私だけ。
「……ねぇ、早く二人きりになろう?」
JK「…ヌナは積極的だねー。まだ俺ら会ったばっかだよ?」
気持ちを落ち着かせようとお手洗いに来ただけ。
男女の小さな声が聞こえて顔を向ければそこにはグクと私の大学でも有名な美女がいて。
絡む腕、壁に寄りかかりながら女の子を見下ろしやがて二人の距離感はゼロになって。
重なる互いの唇とか、その身長差とか、この場の雰囲気とかその囁くような声。
言葉もいらないぐらいに私はもうあなたの瞳に映ることはないんだな、ってわかった。
ズキン、と痛む胸がいや。
弟の恋愛に反応してしまう自分の余計な感情がすごくいや。
音を立てずに二人の邪魔をしないように来た道を引き返して。
いつまでも弟離れできてない私はいきなりの再会にさえ戸惑いを隠せないけれど、せめて今わがまま言っていいなら一言いいたい、な。
……グクのばか。
その、どこでもキスをする癖、直した方がいいよ…なんて。
あぁやだバカみたい。こんな自分本当にいや。
「ね、俺もっとAちゃんの事知りたい。
このまま二人で抜けちゃおっか。」
テーブルの下で繋がれた手にびくっとなって。
小さく頷いた私はとことんバカなんだろうけど今はもうここに居たくなかった。
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ymmfsm395(プロフ) - 初めまして。ジミンペンですが、貴方様が書くジミンさん素敵でドキドキしました。ミイミイさんが書くジミンさんのおはなしが読みたいです。 (2020年11月29日 20時) (レス) id: 73b59513c0 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - (名前)れなさん» わぁー!ドキドキして頂けるなんて感無量です!(*^^*)ぴょんて表現……きつくないですかキモチ悪くないですか……本当に不安です( ;∀;)でもそう言ってくれる方がいらっしゃるだけでも救われます本当にこちらの方が感謝です!またいつでも遊びに来てくださいね(*^^*) (2019年10月16日 8時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
(名前)れな(プロフ) - ミイミイさん!ほんとにありがとうございます、、いつもドッキンドッキンして読んでます、、特にピョンテのところは心臓が破裂しそうです。私が叶えたくても叶えられない夢を見させていただきほんとに感謝しかないです、、これからもミイミイさんの作品を読み続けます! (2019年10月15日 21時) (レス) id: 88f8847ca6 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - わいわいぱっくさん» わー!嬉しいすぎます本当に嬉しいです!!そのお言葉を大切に大事にして納得のいく作品を描いていきたいです(*^^*)ありがとうございます!また遊びに来てください(*^^*) (2019年8月22日 16時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
わいわいぱっく - 初見です、、ミイミイさんの作品は ひとつひとつがクオリティー高くて すごいです。頑張ってください (2019年8月21日 11時) (レス) id: 443d6f8bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2019年3月25日 3時