7 ページ7
タバコの紫煙が揺らめくソウルの夜景を一望できるいつものホテルの最上階の部屋。
抱かれるのは別にどこだっていいし広すぎるこのベッドと室内ははっきりいって居心地が悪い。
そんな戯れ言は贅沢すぎるんだろうけれど、誰もいない、熱いシャワーを勢い良く被っては洗い流したいくらいの文句の１つや２つ、私にだってあるから。
……どうしてこの人は痕をつけるの。
絶対に着けないでと何度も言ってるのに。
甘くもなければ恋人ですらないこの関係はあくまでビジネス。
……ふざけんな。
とは思ってはいても仕方ないからこうやってシャワーに籠る時だけ悪態付く私。
｢……今度の音楽祭出るんだろ？
はぁーあ、世界のＢＴＳ様も出るんだってな。
全ての部門で総なめ状態でおまけに全て自分らで楽曲制作っつーからあいつら、相当稼いでるんじゃん？
はは、弱小事務所だったはずでもおまえんトコとはえれー違いだな。｣
……まじで、ひっぱたきたい。
さっきまでビジネスと言えど、こんな人に抱かれていたと思うと凄く腹立たしいし、自分が情けない。
だって、図星すぎてぐうの音も出ないし。
自分を、ひっぱたきたい。
ＢＴＳの事は良く分からない。
けれど彼らはきっとトップを取るだけの努力や実力があるはずで。
金だ、なんだと言う時点であなたは一生勝てないんだよ、ばーか、なんて思う私はいったい何様なんだろう。
少なくとも、私は最低な人間だ。
仲間の足を引っ張り、重荷なのは私なのにね……
真夜中に寮へと急ぐ足取りはこの上なく重い。
顔を上げればそこら中に、圧倒的にＢＴＳの広告でソウルは溢れている。
同じアイドルでも私とは住む世界が違う彼ら。
共演なんて今まで無かったし、私達はまだデビューも間もない新人グループ。
この業界のトップに君臨する彼らはどんなステージなのかな。
こんな汚れた私が、果たしてそんな彼らと同じステージに立つ事は、許されるのだろうか。
見上げた先の彼らを映す大きな電光掲示板。
ぎゅっと唇を噛んでそこから顔逸らし、家路を急いだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミイミイ(プロフ) - sumomoさん» 読みやすいなんて……そういう部分を褒めて頂けるのは本当に嬉しいです！こんな作者ですがこれからも頑張りますので宜しければまた読んで下さいね！ありがとうございます(*^^*) (2020年10月16日 14時) (
レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ianさん» 返信遅くなってしまい本当にごめんなさい(>_<)引き続き読んでくれるように作者なりに頑張りますね！ありがとうございます(*^^*) (2020年10月16日 14時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
sumomo(プロフ) - 読みやすくて面白いです！更新の予定ありますか？？ (2020年1月28日 10時) (レス) id: 386effc071 (このIDを非表示/違反報告)
ian(プロフ) - もっと壊れた主人公がみたいです。 (2019年8月2日 1時) (レス) id: 3ca682ce22 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - みーさん» めちゃくちゃ嬉しいです！好みが別れるお話ですが最後までどうかお付き合いくださいっ(*^^*) (2019年1月5日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱーふん
| 作成日時：2018年12月9日 18時
