14 YG ページ14
｢…あんっ……ユンギっ、はぁっ…｣
｢……わり、声……抑えて｣
俺の下で揺れる女のそれをどこか他人事のように見下ろして。
揺さぶっているのは間違いないなく俺なのに今日はあまり満たされない。
定期的に訪れるこの部屋では感情とは関係なしに生理的に溜まる男の欲求を満たすだけの遊戯が行われている訳で。
｢……あっ……気持ちい……もっと………んっ！｣
｢……だから、うるせーって。｣
今日は何となく甲高いその声すら何故か耳障りで
甘過ぎる香りもやけに鼻につく。
………目の前の女を呼び出したのは俺なのに。
そうは思ってはいても俺もまだ20代半ばの男な訳で、頭では冷静なつもりでもカラダは結構正直。
乱れたこの空間に呑まれてしまえば次第に上がる俺の熱。
細い腰を鷲掴んで強く揺らしてぶつけるように繋がれば、あっけなく自身の欲が弾け飛んだ。
｢……今日は随分冷たいのね。何か考え事でもしてるの？｣
｢……詮索されんのは好きじゃない。煙草もやめろって俺、言ったよな。｣
行為が終わった途端に低くなる女の声。
ゆらゆら揺れる紫煙が部屋に充満していくのを見つめながら早々と身支度して。
……所詮俺はアイドル。
恋愛御法度のこの世界ではこうやって事務所が用意した女を抱いては欲求を満たす。
不満はなかったし今ではこのシステムにもだいぶ慣れたし、なにより楽。
名前も知らない何回か抱いただけ、カラダを重ねただけの女を横目に無言で部屋を出た。
……はぁ。煙草くさ。
重い足どりで自分の衣服に染み付いた香りを払いながらも、次はナシだな、なんて緩やかに下降していくエレベーター内で壁に寄りかかりながら考えて。
一体俺は何様なんだと思ってはいてもこれがリアルな現状で、世間が知らないこの内情に俺はだいぶ染まってしまってる。
ファンを悲しませないために汚なくも、欲を満たすためだけに用意された女を抱いては気の向くままに切り捨てて。
矛盾と汚いそれで渦巻くこの世界。
生き残るには仕方がないんだと言い聞かせる自身に心底笑いそうになる。
夢みてた、憧れ続けていたこの世界は
思ったよりもずっと穢れていて、腐ってた。
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ミイミイ(プロフ) - sumomoさん» 読みやすいなんて……そういう部分を褒めて頂けるのは本当に嬉しいです！こんな作者ですがこれからも頑張りますので宜しければまた読んで下さいね！ありがとうございます(*^^*) (2020年10月16日 14時) (
レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - ianさん» 返信遅くなってしまい本当にごめんなさい(>_<)引き続き読んでくれるように作者なりに頑張りますね！ありがとうございます(*^^*) (2020年10月16日 14時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
sumomo(プロフ) - 読みやすくて面白いです！更新の予定ありますか？？ (2020年1月28日 10時) (レス) id: 386effc071 (このIDを非表示/違反報告)
ian(プロフ) - もっと壊れた主人公がみたいです。 (2019年8月2日 1時) (レス) id: 3ca682ce22 (このIDを非表示/違反報告)
ミイミイ(プロフ) - みーさん» めちゃくちゃ嬉しいです！好みが別れるお話ですが最後までどうかお付き合いくださいっ(*^^*) (2019年1月5日 20時) (レス) id: 07d9352f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱーふん
| 作成日時：2018年12月9日 18時
