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試験は無事に終えることができた。
小論文は内容も上手くまとめられて、
面接では噛みまくったけど…
面接官の反応も悪くなかった、……と思う。
前日の夜に送られてきた色んな人達からの
応援メッセージが力になったのかもしれない。
その中でも特に太一からの『ファイトっす。』というメッセージはすごく嬉しくてスクショしたくらいだった。
……次は、私が応援する番だ。
太一に会いたい気持ちも、
連絡したい気持ちもしばらく我慢して、
彼が精一杯バレーボールに集中できるように
遠くからがんばれ〜〜!と念を送り続けた。
ただ何も言わないのも申し訳ないので、
前日の夜に『全力で応援するからね!!』と
メッセージとスタンプを送った。
すると『頑張ります』と短い返事とともに
某リラックスしたクマのスタンプが返ってきた。
(このクマにやる気が感じられないけど、可愛いから許した。)
*
そして迎えた10月27日
会場となっている体育館には応援に来たウチの生徒、
対戦相手となる烏野高校の人達も含め、
テレビ局など沢山の人たちが来ていた。
「ダメだ…もう泣きそう。太一絶対かっこいい」
「はや。てか、そこ?」
「勝ったときに泣きなさい」
応援席に着いてからというもの、
緊張やら興奮やらで気持ちが落ち着かなくなる。
そのせいかな、体はちゃんと温かいのに指先は冷たい。
「なんかドキドキするよね。ほいメガホン」
「ありがとお」
両手を温めながら紫色のメガホンを受け取る。
さっきよりも、生徒や応援団が集まってきた気がする。
そろそろ、応援が始まるのかな?
「そうだ。川西君が点決めたら名前叫んでやろうよ」
「あっ、それいいかも」
「や、やめて!!恥ずかしい……!!!」
ぱたぱたとメガホンを揺らすと、
隣に座っている生徒に腕が当たってしまった。
「わ、ごめんなさい!……あっ」
謝りながら、その生徒の顔を見た瞬間目を見開いた。
「いえいえ!大丈夫で……あっ、A先輩!」
可愛らしい笑顔と1つ結びの似合うその子は、
クラスマッチの時に太一と仲睦まじく話していた女の子だった。
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作者名:nome. | 作成日時:2017年2月12日 0時