大雨 ページ16
『はあっ…』
猛ダッシュはやっぱりきつい。日頃の
運動不足を呪ってから迷って迷ってやっと
辿り着いた小さな公園を見渡した。
『あれ…？』
誰もいない。違う公園かな？
いや、でもここで合ってると思うんだけど…
イ・ジフンに連絡しようと思い立った所で、
スマホを持っていないことに気付いた。
まじかよ…
どうしよう、とりあえず家に戻ろうかな。
イ・ジフン、もう帰ったのかも。
でも宿舎に、“ウォヌ”がいる宿舎に、
どんな顔して行けば良いんだろう。
『ウォヌ…』
まさか、あの男の子だったなんて。本当に
気が付かなかった。だって、アイドルに
なってるなんて思いもしないじゃないか。
そりゃあ顔立ちは整ってたけど、あんな
内気な男の子が…
ウォヌ、努力したんだろうなあ。
そんな彼に、私はなんて酷いことをして
しまったんだろう。
罪悪感に胸が軋む。しかも、あの言葉…
WN｢A、今日は月が綺麗だよ｣
小さい時に彼が良く言っていた言葉だ。
さっき言われて思い出した。幼い私は
分からなかったけど、今なら分かる。
ある日本の文豪が訳した、｢ILOVEYOU｣…
勢いで有名な返事を返しちゃったけど、良く
良く考えたらあれは返しちゃいけなかったん
じゃない？
いや、でもウォヌの言葉は昔の私に対して
だろうし…今も私を好きだとは、考えにくい。
考えたくない、のかもしれないけど。
公園に立ち尽くし考えていたら、空気が段々と
湿ってきた。空ももう真っ暗だ。
帰った方が良いよね、ご飯も作りかけだし。
そう思い出口に足を向けると、大きな雨粒が
顔に直撃した。立ち止まると、どんどん視界が
濁っていく。
ざああああ…
『え、ちょ、嘘でしょ！？』
急いでアスレチックに駆け込んだが、
もう服は湿っていた。
『まじか…』
いきなり振りだした大雨はますます勢いを
増している。ついてなさすぎだ、全然
止みそうにない。
どうしよう…
まだ夕方のはずなのに辺りは真っ暗だし、
時計が見えないから時間も分からない。
コンビニの場所も知らないし…
『はあ…』
詰みじゃん、私。
運の悪さともて余した思いで視界が
潤んでいく。
だめだめ、弱気になっちゃ駄目だ。
『…よし』
もう、走って帰るしかない。そう覚悟を
決めた所で聞きなれた、聞きたくて
たまらなかった声が耳に飛び込んできた。
WZ｢A！！！！｣
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ぴ(プロフ) - ウォヌとミョンホ切なすぎて…そしてそれぞれ選んだ選択も、96lineそれぞれの心情も…なんか想像つきました…解釈一致っす…本当に素敵な作品見せて頂いてありがとうございました… (2月21日 4時) (
レス) @page41 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
名無し54892号(プロフ) - ウォヌペンな訳ではないですが、このお話では思わずウォヌウウウウウウウウとなってしまうぐらい切なくてとても良かったです（ ; ; ）主人公ちゃんが気付くシーン、セリフの言い回し等全てが素敵でとても感動しました！！96それぞれの目線でのお話も面白かったです！！ (2022年1月12日 23時) (レス) @page11 id: 1445cdbb12 (このIDを非表示/違反報告)
ミヌ - 夜中の1時過ぎにこんなに素敵なお話を見つけてしまい、7時間ぶっ通しで読んじゃいました。笑 私はウォヌとハオが好きなので、がっつり失恋しちゃってすごく悲しいですが、このお話のおかげでウジくんについて知ることが出来ました。ありがとうございました！ (2021年2月3日 8時) (レス) id: 8612cef835 (このIDを非表示/違反報告)
まーみや - ほしのキャラさいこぉ。。かわいい (2020年9月22日 11時) (レス) id: 54f59f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
まーみや - うわぁ。。最高。頭悪い私にもわかるようにも少しわかりやすい言い回しして欲しかったけど、結果オーライです。ジフン、ユンギみたい笑かっこよかった！小さいけど！ (2020年9月22日 11時) (レス) id: 54f59f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずテム
| 作成日時：2018年10月15日 23時
