相棒の決断、俺の迷い WZ ページ26
WZ「んー」
ガチャ、と静かに入ってきた相棒。
顔を見たらなんとなく、何を言いたいのか
分かってしまった。
誤魔化せば、彼は何も言わないだろう。
でも、それは嫌だった。
WZ「待って、俺も今気づいたから。
ちょっと整理させてくれ」
長年隣で走ってきた親友と自分の気持ちに、
嘘をつくことはしたくなかったのだ。
HS「ジフナ…」
WZ「はは、なんでお前が泣きそうなんだよ」
HS「だって、ごめん俺は、」
WZ「応援出来ない、ってか？」
思った通りだったようで、彼は瞳を揺らした。
HS「応援出来る、応援したい、って思ってた。
恋愛ぐらいまともにやらせてあげてえって。
でもなんか、」
WZ「待てよ、俺なんも言ってねえだろ」
HS「見たら分かるから」
やけに強い口調だった。
HS「見たら分かるんだよ。お前が本気な
ことぐらい、見たら分かるんだって」
WZ「そっ、か…」
HS「なあ、やっぱ俺心配だよ。
ごめん。ほんとに、お前の本気な目を見て
怖くなった。ごめん、自分が情けないわ。
ごめんな…」
その後も髪をぐしゃぐしゃにしながら
謝罪を繰り返すスニョンに、俺は何も
言葉が出なかった。
HS「俺は、心配だよ。でも、何も余計なこと
言わないから。邪魔はしないから。安心して」
寂しそうな笑顔に胸が痛む。
WZ「ごめん…」
HS「なんでお前が謝るんだよ。
良い事だよ。人を好きになるって、
すげえ良い事だよ。お前が作る曲のおかげで、
俺はそれに気づけたんだ」
WZ「スニョン、」
HS「後悔だけは、しないようにな」
俺は、知っている。
スニョンが、以前俺達を担当していた
メイクヌナが好きだったことを。
誰にも言っていないようだったが、
俺は気づいた。そして、メイクヌナが
ミンギュを好きなことも。
スタッフとして御法度なアイドルへの恋情。
彼女はいつの間にか担当を外されていた。
しっかりした人だった、恐らく彼女自身の
意思だろう。
スニョンは、引きとめなかった。
何の行動も起こさず、彼女から目を逸らした。
HS「自分の心に正直でいる時間は、
ステージの上だけで十分だ」
そんな時期に彼が落とした言葉は今、
俺の胸を締め付けている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1739人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まーまや - めっちゃよかった、、！けど結局くっつかないまま終わったから煮えきらない泣でも、お疲れ様でした (2020年9月22日 7時) (
レス) id: 54f59f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
まーまや - ふぁぁ。。主様のセンスを感じたのが、契約書の条件の最後にメンバーと仲良くすること、って言うのが間を開けて下の段に書いてあった(語彙力)のがセンスの塊だと思いました (2020年9月22日 6時) (レス) id: 54f59f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずテム(プロフ) - ユジンさん» コメありがとうございます、最後まで読んで下さりありがとうございました！そう言って頂けて本当に嬉しいです！ (2018年9月4日 15時) (レス) id: 9c2c49a1ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆずテム(プロフ) - りんかさん» コメ嬉しいです！！長い間お付き合いありがとうございました！！ (2018年9月4日 15時) (レス) id: 9c2c49a1ac (このIDを非表示/違反報告)
ユジン(プロフ) - 完結お疲れ様です、この2人の距離感がすごく好きでいつも更新を楽しみにしてました、。 (2018年9月2日 0時) (レス) id: 74ca2245ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆずテム
| 作成日時：2018年6月13日 20時
