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真意 ページ13

松川side





部活の後輩が泣いた日から早数週間。


悩みは解決しないまま時だけが過ぎている。





「あ、国見〜。」


「松川さん。こんにちは。」





内緒にしろとは言われたけれど、こいつの真意を聞き出してみようと思う。

彼女の相手はこの国見であることは分かっていたから黙っていられないのだ。


廊下であったのをきっかけに話を切り込む。





「この前、あいつ泣いてたぞ?」


「は?なんで?」





俺の言葉だけじゃ説明不足だから、状況が飲めないままに苛立ちをこちらに向ける国見。





「松川さんとAって接点ありましたっけ。」





…あいつ、って言っただけで分かるんだ。


久我(くが)、心配もそんなに要らないと思うなぁ。





「結構喋ってるけど。」


「…はぁ。」





気だるげに返事をするのはいつもの癖。


こういう些細な事もあいつは気にすんだろうな。





「詳しくは俺もさわりだけしか聞いてないから分かんねぇけど…お前彼女も大切にしろよ?」





全部聞いた…なんて言ったら短気なこいつだ、いつどうなるかなんて予想はすぐつく。

だから変なとこに触れないように、要件だけを目を見て伝える。





国見は無表情ながらに珍しく怒っているように見えた。





「俺の彼女はAだけです。誰にも譲る気はありません。」





するとまぁ、予想外の答えが。


ゆーても答えにはなってないけど。


…どうやら眉間にシワを寄せるのは、理由は不機嫌なことひとつでは無いらしい。





「じゃあ不安がってるのも分かるだろ。

そういう態度やめろよ?」





長い付き合いだとも知った。

彼女の隣にいちばん長く居座っている唯一の男なんだ、気持ちはわかっているはずじゃないか。



国見は目線を合わせなくなって、こう吐いた。






「松川さんにそんなこと言われる筋合いありません。

…次の授業まで寝たいので、これで。」





さよなら、と言ってクラスに戻っていく国見。



先輩にこの態度はどうかと思うが、


この冷たい態度にまだ何かが隠されている気がして、どうにも落ち着かない。

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yuiki(プロフ) - 雪見ユキバさん» うわああありがとうございます!頑張ります!!! (2019年11月27日 17時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
雪見ユキバ(プロフ) - もう好き…大好き…更新頑張ってください…いつまでも待ってますんで… (2019年11月27日 16時) (レス) id: 29b8aaca97 (このIDを非表示/違反報告)
yuiki(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます…!更新ペースあげられるように頑張りますっ (2019年11月25日 17時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 国見氏かわえぇです…次も楽しみにしてまっす (2019年11月25日 16時) (レス) id: 755c13a381 (このIDを非表示/違反報告)
yuiki(プロフ) - 妖精さん» そう言って貰えるとすごく嬉しいです!!先の展開はまだ分からないので、是非読み続けて下さい! (2019年11月12日 4時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuiki | 作成日時:2019年10月27日 7時

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