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百五十六 ページ6

「オイ」


『あれ、旦那。今日はお一人で?』




神楽ちゃんがお泊まりをした数日後、鴨さんから頂いた刀の手入れをしていれば旦那が訪ねてきた。

見れば新八くんも神楽ちゃんもいない。
お昼時でも夕飯時でもない。
元々約束をしていたわけでもない。

いや約束はしてなくても来るんだけど、今日はいつもの感じではなさそうで。


首を傾げれば




「総一郎くんにバレた」




とバツの悪い顔をした。



「クソサドは血眼になって探してるアル」



神楽ちゃんの言葉を思い出す。



…ん?すぐにバレないように手は打ってあるんじゃなかったっけ?
その会話したの数日前じゃない?

何でこんな早くにバレたのか。




『旦那、手打ってあったんじゃないんですか』


「いやーそれが…」




神楽ちゃんの泊まったあの日、旦那と新八くんが万事屋へ帰る途中に総悟くんに捕まったらしい。

ここに来るまでつけられてたとかで。




「言われたよここにお前ェがいんのかって」


『それで答えたんですね』


「まーな。だけど会うつもりはねェと」


『…私の意思を尊重すると』


「そーいうこったァ。ったく、あのガキはあんな心配してるってのにもう片方は何もねェってか」


『そういう人ですから…』




十四郎ちゃんの顔が浮かんで胸が苦しくなった。

まぁ心配されるとは思ってもなかったし、そう言われてもやっぱり…としか思わなかった。

けれど、相手に対する気持ちを自覚したからか、いやきっとそれの所為なのだが。
確実に痛いものへと変わってしまったらしい。




「いつもよりブスになってんぞ」


『今日の晩ご飯用意しないんで』

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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月26日 11時

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