百七十一 ページ21
話はなかなか進まず、寧ろ後退してるんじゃないかというレベルで。
「Aさんの結婚式までもう時間ないんですけどォォォオ!?」
『落ち着け新八くん』
「なんで当事者のアンタが一番落ち着いてんだよ‼おかしいだろ‼もっと焦れよ‼」
『いや私は捕まっても構わないと思ってるから』
「…」
「勝者Aー」
そう、婚儀までもう日がない。
のに案は一向に浮かばず新八くんは壊れかけなことに対し私や旦那、神楽ちゃんはいつもと変わらない。
……まぁ元々?捕まる気で叩っ斬る予定だったし。そこに旦那たちが絡んできて当初の予定からずれたってだけ。
てかこうなるくらいなら
「請け負った仕事は最後までやりますから」
なんて新八くんも言わなきゃよかったのに。
ーー馬鹿だなぁと思った。
「アンタに言われたか無いですよ‼」
『あれ?なんで心の声…』
「フツーに口に出してたぞ」
『あちゃー』
「なんなんですか‼本当しっかりしてくださいよ…」
私はしっかりしてるつもりなんだけどね。
犯罪の片棒じゃなく、本当に犯罪を担ぐ前に離したというのに…突っ込んできたのはどっちだって話。
それなのにこんなギャアギャア言われる筋合いは無い気がするが…。
「…あ、そういや昨日クソサドに会ったアル」
「総一郎くんに?奴がどーしたんだよ」
『旦那、総悟です』
どっちでもいいだろみたいな顔向けられたらそれもそうなんだがとしか言えないんだけど。
…ん?いや、よくはないか。
あ、でも話に関係ないからいっか。
なんてやりとりを頭の中で一通り終えてからそれで?と神楽ちゃんへ問う。
「Aを連れ戻すから手貸せって言われたアル」
思ってたよりも早く向こうは動き始めたらしい。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月26日 11時