第46話 ページ46
『日直なんで少し遅れます』
放課後の正面玄関口、スマホを確認すれば通知が来ていた。日直か。待っておこう。
ここからグラウンドが見渡せる。ふとショッピくんのユニフォーム姿を思い出した。
かっこよかったな。
いつの間にかニヤッと口角が上がっていたことに気づき、咳払いをして誤魔化した。
「……まだかなぁ」
待ちきれない思いでいっぱいになる。
＊＊＊
(satomi side)
教室に忘れ物をしたのでバド部のユニフォームのまま階段を登る。教室の扉を開ければ、ショッピくんが日誌を書いていた。振り返って私を視認する。
「部活は？」
「あ、えっと、忘れ物取りに来たの」
「アホやん」
突然の悪口に頬を膨らませても、それ以上は興味無さそうにまた日誌に目を落とした。その様子から何となく急いでいるように感じた。
「……この後なんかあるん？」
「…まあ、ちょっと」
先輩と。
『先輩』の単語が出てきた瞬間、声がほんの少し高くなった。その理由が嫌でも分かってしまう。
A先輩と、どっか出かけるんかな。
ズキリと胸が傷んだ。一気にモヤモヤしたものが頭の中を駆け回る。
…ダメやろ、2人の邪魔せんどこって決めたのに。もう諦めようって思ってたのに。出てくるな、わがまま。
「……じゃ。はよ部活戻らな怒られるんやない？」
「……うん」
そそくさと荷物をまとめて教室を出ようとするショッピくん。ガラリと扉が開いた。
「………………何？」
気づけば出ていこうとするショッピくんの鞄を引っ張っていた。いつもの無表情のまま、視線だけをこちらに向けている。
いやだ。行かせたくない。2人きりにさせたくない。
自分の汚い感情を理解した途端、バッと手を離した。
「……ごめん、なんでもない…………」
ショッピくんは鞄を再度持ち直してため息を吐いた。見下ろされた視線が、私の気持ちを全て見透かしているように思えてならない。
「……んじゃ」
何も追求せずに教室から出ていった。ショッピくんが去っていった方向を立ち尽くして見ていた。
ショッピくんを好きになってからずっとチラついていた『先輩』の姿。どう頑張ったって、どうアプローチしたってそれは消えることは無かった。今はただその存在が憎らしい。
A先輩なんていなければ良かったのに。
唇を強く噛んだ。微かに血の味がした。
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美咲(プロフ) - ストラップが…危ない気がする…（恐怖）めちゃくちゃ更新楽しみにしてます、頑張ってくださいね！ (2019年7月21日 6時) (
レス) id: 4d00598472 (このIDを非表示/違反報告)
弥生 - さとみちゃんがいい人であってくれる事を願う…！！更新頑張ってください！ (2019年7月7日 3時) (レス) id: b3ed6b5db4 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア^ - ショッピぃぃいいぃぃいいぃくぅううぅうんんん！尊い作者神です。更新頑張ってください!! (2019年7月1日 19時) (レス) id: ac98886272 (このIDを非表示/違反報告)
かげしゃむ - ぎゃぁぁぁぁぁショッピくんが可愛すぎる...。めっちゃ好きです！！更新頑張ってください応援してます！！ (2019年6月28日 20時) (レス) id: 041bbe8fcb (このIDを非表示/違反報告)
マンホール異邦人(プロフ) - AKさん» ご指摘ありがとうございます。確認しましたが、確かに少し分かりにくいので先程本編を少し変更致しました。今後も不明な点が見つかればご指摘頂ければ幸いでございます。 (2019年6月25日 19時) (レス) id: f6e839ac95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンホール異邦人 | 作成日時：2019年6月15日 12時
