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いつもより暖かいベッドに目を覚ますと、隣ですやすやと眠る彼が視界に入った。
モゾモゾと動いて暖を取る彼の腕は しっかりと私の腰を抱いていたけど、何とかして脱出する。
『…綺麗な顔、』
長い睫毛に、筋の通った鼻。
お世辞抜きで羨ましくなるほど整った顔の彼。
思わず見惚れてしまいそうになり、慌てて首をふってキッチンへ向かう。
冷蔵庫の中には魚と野菜、そして金平。
和食にしよう、と意気込み 戸を閉める。
包丁で野菜を切ると トントンと軽い音が鳴った。
切った野菜とキノコを油を引いたフライパンに入れて、火をかける。
そして、お皿を取り出して後ろを向いた
『__ッきゃ、!』
_パリンッ!
お皿が床に落ちて、割れる。
静かに私を見つめる彼と目が合い、私の心臓は破裂しそうなほど音を立てた。
いつから、居たのだろう。
あまりにも気配を感じなくて、驚いてしまった。
渋谷「…ドンくさ」
『ぁ、あ…すみませんっ』
いまだにバクバクと音を立てる心臓を抑えて、
しゃがんで破片を拾う彼を見つめる。
…少し、怖かった。
気づいたら後ろにいて、 もしも彼が殺人鬼
渋谷「…血」
『え…あ、』
渋谷「ほんまドジやな、お前。」
人差し指からプクリと浮き出る血。
言われなければ気づかなかった。
そういえば少しだけ痛いかもしれない、と指を見つめていると 不意に彼がその指を咥える。
『…っ、ん』
熱い舌が傷口に触れて ジワジワと痛む。
急なことにされるがままにその行為を見つめていると、暫くして ちゅっと音を立てて口を離した。
ペロリと舌舐めずりをする仕草が、あまりにも綺麗で
渋谷「…は、えっろい顔。」
固まった私を見て笑う彼。
離れたはずの指はいまだ熱を帯びていて。
さっきとは違う意味で心臓が音を奏でる。
きっと、私はこの時から 既に
彼に心を奪われていたのだろう。
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なっか(プロフ) - ぁぃ岡ちゃんさん» お返事遅くなってごめんなさいorz 村上くんは登場させた時からヤンデレ落ちにしようと心に決めてたので そう言って貰えて嬉しいです!多分この小説の中でマトモなのは横山くんだけです(笑) 新作の方もちまちまと更新するのでこれからもよろしくお願いします\(^o^)/ (2018年11月29日 7時) (レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - 変なタイミングでコメント失礼します。実はこの作品3回以上は読むほど大好きで...! ヨコもひなちゃんもいいキャラだし、何より殺人鬼とは思えないこのすばるくん!!!もう会えないとかとても悲しいですが、幸せな気持ちにもなって、、!新作の更新も楽しみです! (2018年11月24日 13時) (レス) id: b0cf436bba (このIDを非表示/違反報告)
のこ - にゅいさん» ほんとそれ。 (2018年6月6日 1時) (レス) id: d930366955 (このIDを非表示/違反報告)
なっか(プロフ) - ∞みきりんご∞さん» お返事が遅くなってごめんなさい(><)はい!フォロバさせていただきました、ありがとうございます! (2018年2月26日 21時) (レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
∞みきりんご∞(プロフ) - なっかさん、青鳥フォローしました!どさくさに紛れて、みたいな感じですが… りゅーかってやつです。 (2018年2月26日 19時) (レス) id: 4856ac329b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっか | 作成日時:2017年12月19日 12時