わたしのピーターパン【青】

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長い夏休みも中盤に差し掛かった頃、相変わらず人の家を屯所にして好き勝手出入りする幼馴染み達に(無理矢理)連れられて ひとけのない空き地に赴いた。


だだっ広い其処には某猫型ロボットの漫画よろしく土管があったりで。見回しても周りに民家は無く、自宅からもかなり離れた場所。
正直あまり馴染みのない場所なので、私たち地元の人間ですら ここには近づかなかった。




「おお、今日もだぁれも居らんなあ」


『…信ちゃん、こんなとこで何するん？』





蝉の鳴き声をBGMに 横にいた信ちゃんに問いかける。
自慢の八重歯を光らせて、兄が笑った。




「ドロケイ！」


「え、おれ普通に隠れんぼがええねんけど」


『や、どっちでもええけどさ…私やらんよ』


「はあ！？なんでや！」





私の言葉にすぐさま反応したすば.るくんがすごい勢いで振り向いて、般若の顔をする。
「だって暑いし」と言えば「若者が何言っとんねん！」と怒鳴られた。



『私からしたら高３が何やっとんねんって感じなんやけど』


「ええやん隠れんぼ！ちっこい頃ようやったやろ？」


『そりゃあの時は楽しかったけど…今無理やって。走られへんもん』





言いながら誕生日に親にもらった腕時計を見やると、時刻は16時過ぎ。それなりにいい時間である。

夏といえど田舎の夜は早くて、17時近くになれば辺りはすっかり暗くなる。
だから私は早く帰りたかったのだけど…。





「な！どこ隠れてもええし！なんならこっから(空き地)出てもええから！A隠れんぼ好きやろ？」


『うーん…』


「高校最後の夏、楽しみたいねん！」








お願い！と3人に頭を下げられる。苦笑している章ちゃんと顔を見合わせて、苦笑した。

…そんなこと言われたら、断れないよ。






『…1回だけやで』


「！任せときっ！」


「流石おれらの妹やな！チョウヤサシイ！」


「ヤサシイヤサシイ！」





若干棒読みでおべっかな気がするけど、嬉しそうにハイタッチをしているのを見てたらどうでも良くなってくる。

「ごめんな」って言いながら章ちゃんが頭を撫でてくれて、私は俯きながら笑った。









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時計の長針が、5を指していた。


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(※ここから胸糞展開です。犯罪・流血表現ありなのでご注意を。)

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