モブインの親友は楽じゃない

19話 ページ21

A side


｢キャー！！！！及川サーん！！！！｣



及川さんを呼ぶ声がそこらじゅうから飛び交う

キーキー猿みたいでうるさい


さっきボソッと呟いたら

ガチ睨みされてほんとに怖かった。



これ練習の邪魔じゃんと思いながらも

椅子に腰掛け練習風景を見る



久原さんはスコア係なのか


記入をしている




少したったあと体育館から出ていって


ドリンクを運んできた



久｢休憩です！｣


相変わらずバレー部の前ではハキハキしてるよあの人。


二重人格.......？




すると、及川さんの口から和優の名前が出てきた


及｢玉瀬ちゃんまた仕事してないの？

なにしてんのあいつ｣



いつもより冷たい声


少し鳥肌が立つ





松｢そろそろブチギレてもいんじゃね？｣


花｢莉咲が可哀想だぞ｣



次々に文句を言い出すバレー部



すると周りの女子が


｢仕事してないのは久原なのにね｣


｢なに勘違いしてんだろ｣


｢叱るなら久原を叱ってよ｣



とぼそぼそ言い始めた


どうやら応援軍は和優が仕事をしていることを

わかっているらしい。


うるさい猿とか言ってごめんねお嬢さんたち。




すると、和優が体育館に入ってきた



和｢タオル持ってきました｣



タオルを床に置いたのを見計らって


及川さんが叱り始める




及｢玉瀬さぁ、そろそろ真面目に仕事してくれない？

莉咲にばっか任せて申し訳ないと思わないわけ？

スコアだって莉咲がやってるのに

ドリンク運びくらいやんなよ

そんなこともできないわけ？｣


それを聞いて

何を言ってるのか理解出来ていない和優は


和｢なにを言ってるかわかりませんが

仕事は分担してやってます

久原さんだけに任せてはいません｣


それに合わせて国見も


国｢玉瀬は仕事してますよ｣


そういうと久原さんが少し

顔を歪ませた、ていうかまず

久原さんが和優も仕事してますよって

なんで訂正しないわけ？



あの子、なんかあんの？


と考えていると喧嘩はヒートアップしていた


いつの間にか和優は黙りこみ

それをいいことにバレー部は言いたい放題


これはやばいと思い応援席を立ち和優のもとに走る



ただただ必死に走る








｢お前なんかいらねぇよ、マネやめろよ｣


その言葉と同時に扉を開いた

しっかりと聞こえた



主将である及川がそういった事を


扉を勢いよく開けたせいか全員がこちらを見る





みんなと少し遅れてこちらを向いた和優は




｢助けてｯ｣




泣いていた

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