想いは花となりて2 天若清弦 ページ15
「あの、清弦さんはどうなりますか?」
「さあ?当主の事ですからそれなりの罰が与えられると思います」
淡々にそう言うと音海紫は目線を下げた
「貴女の兄を殺したのは清弦様だと知っているはずです。なのに、何で貴女は清弦様を恨まないのですか?」
彼女が私達を、正確には清弦様を探していたのは監視していて知っている
だからこそ分からない。何故仇である清弦様を恨まないのか
「何故清弦さんが兄さんを殺さなければならなかったのか分かりません。だけど、一緒に過ごしてきて清弦さんは優しい人だと知っていますから」
そう断言した彼女は柔らかく微笑んでいて血に染まりきった私には眩しすぎた
だからこそ清弦様は―――――
「―――――そろそろ清弦様が此方に来るので私は失礼します。バレたら殺されてしまうので」
「そう、ですか‥‥あの貴女は清弦さんの事」
「もう良いのですよ。もし貴女が清弦様を導く光ならば清弦様をよろしくお願いします。貴女が死なぬよう祈ってますよ」
それだけ言い残し私は地下室から出た
出る際に振り返ったら音海紫は私に頭を下げていた
不思議な女性だったなぁと思いながら屋敷を歩いていると夕弦と出会った
「面白くて不思議な女性だったよ。彼女なら任せても大丈夫」
「貴女が認めるなんて珍しいですね」
「そう?」
私が首を傾げると夕弦は地下室に行くとスルーして行った
聞くだけ聞いといてスルーかよ、と思った私は悪くない
夕弦と別れて空を見上げるといつの間にか雨が降りだし強くなっていく
そして夕弦が当主に逆らったとして捕らえられ当主は脱走したであろう清弦様達を夕弦と共に追った
夕弦が捕まり私が清弦様に、“紫様”に出来る事と言えば
「貴方達、律の足止めですかねぇ」
「そこを退け未央。貴様一人で我等を相手するつもりか」
「嘗めないでもらえます?本当に‥‥心外ですよ」
そう言って私は執行者に突っ込んでいった
執行者を相手に数分で片付き清弦様達がいるだろう港に行くとボロボロの清弦様と夕弦
ついでに清弦様の腕は白く輝く先代当主の孤弦様が扱っていた白虎の呪装がしてあった
「取り合えず何があったのか説明と軽く手当てさせて下さいませ清弦様」
「未央かぁ〜‥‥お前その血は何だぁ〜?」
おやどうやら雨に打たれても流れなかった血があった様だ
「ちょっと追っ手の執行者相手にしていただけですよ。ついでにこの血は全て返り血ですのでご安心を」
それだけ言うと手当てを始めた
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サクサク(プロフ) - すっごい良かったです( ^ω^ )あまあまでお願いします(*≧∀≦*) (2017年9月16日 22時) (レス) id: 47ab031b03 (このIDを非表示/違反報告)
サクサク(プロフ) - リクエストで、勘ちゃんお願いしてもいいですか? (2017年9月16日 22時) (レス) id: 47ab031b03 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - リクエストで、土御門有馬様をお願いします! とても甘いのお願いします!m(__)m (2017年1月20日 19時) (レス) id: e8a630efc5 (このIDを非表示/違反報告)
黒蓮(プロフ) - リクエストお願いしてもいいですか?婆娑羅の神威と夢主の恋愛をお願いします!か、かなり甘めで/// (2017年1月8日 2時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
天馬イチズ - ヤバイめっちゃ面白い!続きが早く見たい! (2016年12月29日 19時) (レス) id: 8aa5a985ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2016年11月2日 0時