第23話 夢 ページ29
夢を見た。
冷たい床に立っていて、白いワンピースを着て、兄と向かい合っている夢。
その時の兄は下を向いていて、表情はよく分からなかったが、私は夢の中で兄に会えたことに歓喜していた。
もう、二度と会えないんだから。
『兄さん』
兄「…A」
『…ん?』
兄「お前、俺の妹じゃねぇや」
『は?なに、言って…』
兄「成績は普通、運動神経は少し良いくらいのヤツは俺の妹じゃない」
『兄さん、どうしたの?確かにそうだけど、そんなこと1回も言ってなかったじゃん…』
兄「近寄るな、気持ち悪い。」
『え…』
そう言うと、私に背を向けて光が指している方へ歩き始めた。
兄が歩いてる先には人影がある。
目を凝らして見てみると…
『…ぁ…』
…あいつらだ。あの、私を捨てた。
最近、ようやく忘れられたのに。
絶望した。兄さえも、そっちに行ってしまうなんて。
そしたら、急に後ろから来た"クロイナニカ"に呑み込まれて___
『……っ!?はっ、はっ…』
目が覚めた。
まだ手が震えているし、少し過呼吸気味だ。
けど、あれが夢なことに少し安心感もあった。
『はっ…はっ…ゲホッ、うぇ…』
吐き気…
さとみ「…Aちゃん?どうしたの?」
ノックをして、ドア越しに声をかけてきた。
『う”ぇ、さと、みく…』
名前を呼ぶと、さとみくんが入ってきた。
私を見て、酷く驚いている。
さとみ「Aちゃん!?大丈夫!?」
『気持ち…悪い…』
さとみ「吐きそうな感じ?」
『はい…』
さとみ「とりあえずトイレ行こうか。」
トイレに抱っこで連れてってもらった瞬間、吐き気が酷くなって、トイレの中に吐いてしまった。それも結構な量を。
その間、ずっとさとみくんは背中を撫でてくれた。
吐き気が収まったのは、それから数分後。
『…もう、大丈夫です』
さとみ「吐き気は収まった?」
『はい…』
さとみ「…熱あるね。顔色も悪いし。明日はとりあえず休もうか。」
『…はい』
さとみくんにまた抱っこされ、ベッドまで運ばれた。
「寝るまで近くにいるね」と言われたので、甘えることにした。
さとみ「…Aちゃん」
『…なんですか?』
さとみ「急に体調悪くなるなんて…どうしたの?」
『ちょっと、嫌な夢見たんで…』
さとみ「嫌な夢で気持ち悪くなるの?」
『…前の家族が、出てきて』
さとみ「…?それって、幸せなんじゃ…」
『…普通の家庭とは言えないんで…』
さとみ「そっか。…そのこと、いつか話してね」
『…はい』
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蒼空 - 乃猫さん» 凄いですね!私、金欠で10枚しか買えなくて…。るぅとくん以外の甚平と水着の全員、莉犬くんのが出ましたw (2019年10月6日 17時) (レス) id: 3f6e9004cf (このIDを非表示/違反報告)
乃猫(プロフ) - 蒼空さん» わたしは2日目にめっちゃやってそのひにころちゃんの法被?と全員二枚以外は揃いましたww (2019年10月6日 13時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - 乃猫さん» はい!もちろん買いに行きましたよ(*^^*) (2019年10月6日 12時) (レス) id: 3f6e9004cf (このIDを非表示/違反報告)
乃猫(プロフ) - すとぷりのブロマイドもやってますよね〜(*´ω`*) (2019年10月5日 13時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - おばかさん» お優しいですよ(`・∀・´) (2019年10月4日 6時) (レス) id: 3f6e9004cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2019年7月29日 8時