lesson9 ページ9
臣くん……。
後悔って字の如く後から悔やむ事なんだね。
あれから課長は私の自由を奪った。
会社へ行く通勤電車、帰る時まで一緒に帰る。
私が課長に内緒で臣くんに会ってるんじゃないかって…。
嫉妬って怖い。まるでストーカーみたいな事を課長はしてるんだから……。
『 今日も課長……来るんだろうな。 』
会社を出て空をみあげる。このまま消えちゃいたいな。
今日は呑んで帰ろう……。
目黒はファション・グルメの激戦区……新しい店が出来るの早いけど……無くなるのも早い。そんな激戦区にウェディングショップに式場を開いちゃうんだからHIROさんって凄いと思う。
『 ワイン飲みに行こっかな。 』
最近、白ワインの美味しさが分かってきたんだ。ワインって奥深いんですって!
課長が凄いと思うのはワインの事をよく知っている事!
臣くんも色々知ってそうだな……一緒に呑んでみたい。
『 恋人じゃなくていい友達としてでもいいから臣くんの傍にいたいな……』
恋しちゃいけない相手って分かってる。でも、
恋してしまったの!
私の事なんて臣くんは忘れちゃってるんだろうな。
もう少しだけ貴方に恋していてもいいですか!?
会社から歩いて10分くらいの所にあるワインバー。
ここのマスターはとっても気さくな方!
私が入って行くと少し微笑み声をかけてくれる。
『 こんばんは!マスターカウンター空いてますか? 』
「 いらっしゃい。Aちゃん今夜は一人? 」
『 はい 』
「 先客いるけど……カウンターは空いてるよ 」
『 本当ですか!? マスター今日は白のスパークリングでお願いします。 』
「 あまり酔いたくない感じ? 」
『 酔いたいんですが……家に帰れば課長が居て夕食作らないといけないんで…… 』
「 大変だな。あの年上彼氏のご飯作り! 」
『 もうこんな関係やめたいんですけどね。 』
「 やめればいいじゃん。 」
えっ!?この声?
『 臣くん? 』
間違いない。臣くんいたの?ずっと聞いてたの!?何時から?ここのお客様だったんだ。
「 臣!お前は人の話盗み聞きするな! 」
「 マスター人聞き悪いなぁ〜聞こえたの!盗み聞きしたんじゃないつぅーの! 」
『 ………。臣……く……ん……。』
久しぶりに会った臣くんに私は何も言えずに手を口に押さえていた。
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作者名:結那 | 作成日時:2018年9月19日 0時