。。 ページ25
.
---
俺と光がデビュー前に拙く重ねた肌。
あまり思い出したくもないし、その時のことは鮮明に思い出せない。
もう10年……いや、もっと前のことなのだから、記憶が定かでなくても不思議ではないだろう。
たった一度。
たった一時間ほどのできごとだ。
それは思春期特有の訳の分からない衝動だったようにも思えるし、その後の人生のすべてを支配する分岐点だったような気もする。
でも、今夜はもう一つの俺らの間にある境界線を一緒に越えるんだ。
光の鎖骨の窪みに唇を強く押しつけると、拍動が伝わってくる。
心臓と同じそのリズムを唇で味わいながら、チロリと舌先で擽る。
「あっ、やん……」
光は小さく声を漏らして、身じろぎする。
豪華なホテルではなく、俺の家の、散らかった寝室で繋がることを光が望んだ。
10年の区切りがついたら、と。
「かわい、ひかる。かわいい」
こんな微かな愛撫にすら感じてしまい、涙目になっている光に愛しさがこみあげてくる。
胸の尖りを摘まみ、ゆるく輪を描くように指先で刺激すると、甘い声が途切れ途切れに光の唇から零れた。
恥ずかしがる光は灯をつけることを許してくれず、ドアの隙間から僅かに差し込む廊下の明かりを頼りにして、しっとりと湿った肌へ柔らかく指先を這わす。
出来る限り優しく、余裕をもって。
茂みに指を入れて根元を探り出し、すでに熱を持った光自身を緩やかに愛撫すると苦し気に息を吐く。
「ひかる、俺に任せて？」
言いながら先走りで濡れたそれを左手でゆっくりと上下する。
びくん、と細腰が跳ね、その反応に俺も今までにないほど興奮した。
いいオトナ。それなりに経験だってある。
だけど、相手が光だと思うだけで、どうしようもなく欲しいという気持ちが湧いてくる。
そのまま強く擦り上げ続けると光の声が切迫していく。
太ももが小刻みに震え、シーツを掴んでいた光の手はいつの間にか俺の背中に回されていた。
「あぁ!もっ…や、ぶ、やぶ、あぁぁぁ」
「いいぜ、ほら、ひかる、俺で感じて」
俺の手の中で達した光は、甘い余韻に胸を上下させている。
我慢できない。
この日のために準備しておいたローションをたっぷりと指先に纏わせ、ためらいなく光の後ろに沈みこませた。
「──あっ、は、んっ……!」
誰もまだ犯したことのない場所を思うさま蹂躙するよろこびにゾクゾクする。
辛そうに息を飲んだ光の耳もとで「すぐによくしてやる」と囁き、形のいい耳殻に舌を這わせて、わざといやらしく水音を立てる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 293人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろくま(プロフ) - Ｑさん» 手のひらを返したような甘デレのやぶりんです（笑）長年拗らせていたら、ああなっちゃうのでしょうか？夜のご指導は…どうでしょうか？別の機会に（笑） (2019年5月9日 21時) (
レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - おまけもたっぷりで完結おめでとうございます！ゆうやま！可愛い。そしてぐるぐるしてたくせに、今はすっかり幸せ一杯の薮さんが可愛くって可愛いです。…しかし、ちょっと聞きたかったですよ~。薮さんのゆうとくんへの赤裸々な性活指導… (2019年5月9日 19時) (レス) id: ce22f02e95 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - はなこさん» はなこ様…ゆとやま作者様に読んで頂いて恐縮です(;^_^Aやまちゃんのお誕生日記念のつもりだっつたのですが、本人が登場しないという体たらく…。可愛いやまちゃんははなこ様で美味しく頂こうと思っておりますっ。コメントありがとうございました。 (2019年5月9日 9時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様、ゆーと担から殺されるかもしれん、と怯えつつ…。ゆーとくんはイケメンが過ぎるので、どうしてもこんな感じにしないと私には書けないのですな（笑）楽しんで頂けてよかったです〜。 (2019年5月9日 9時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！やぶひかが最近、ますます尊いのはこんな裏が…なんてリンクしちゃいました。そして、しろくま様のゆとやま〜っ！また是非ぶっ込んでくださいませ！ (2019年5月8日 23時) (レス) id: be0c1ceb57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
